Zcash価格が過去1年で10倍超に急騰、開発元ECCが第4四半期ロードマップを発表

Zcash価格が過去1年で10倍超に急騰、開発元ECCが第4四半期ロードマップを発表(Zcash surges over 10x in past year as ECC releases Q4 roadmap)
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Zcash価格急騰の中、ECCがQ4ロードマップを公開

仮想通貨Zcash(ZEC)の開発元であるElectric Coin Co.(ECC)は2025年10月31日、2025年第4四半期のロードマップを発表しました。

Zcashは取引の匿名性とプライバシー保護に特化した仮想通貨で、上場以来約1,100%上昇し、前年の10倍超にあたる460ドル(約7万1,000円)前後まで上昇しました。

価格高騰が続く中で発表された今回のロードマップには、ECC公式ウォレット「Zashi」のプライバシー機能強化やマルチシグ(複数署名)の導入などが盛り込まれています。

ECCは当四半期の重点項目として「技術的負債の削減」「Zashiユーザーのプライバシーと利便性の向上」「開発ファンド管理の円滑化」を掲げ、Zcashのユーザー体験とセキュリティを一層高める方針です。

ECC第4四半期ロードマップ、Zcashの匿名性と利便性を同時強化へ

ECCが公開した第4四半期ロードマップでは、プライバシー強化と使い勝手の向上を目的とした4つの主要項目が示されています。

①:一時的透明アドレスで送受信履歴の特定を防止

一時的透過アドレス(※1)の導入では、NEAR Intentsプロトコルを用い、ZECのスワップごとに新しい一時アドレスを自動生成する仕組みを実装するとしています。

これにより取引ごとのアドレス再利用を防ぎ、送受信履歴のつながりを断つことでプライバシーを向上させます。


※1 透過アドレス:一般的なビットコインのアドレスと同様に、ブロックチェーン上で取引内容(送金元・送金先・金額)が公開されるアドレス

②:透過アドレスの動的更新で匿名性を確保

加えて透過アドレスのローテーション機能も盛り込まれ、既存の透過アドレスが一度資金を受け取ったら新たな透過アドレスへ更新されるようになります。

これによって同じアドレスを繰り返し使用することを防ぎ、ユーザーの匿名性維持に貢献します。

③:Keystone連携の安定化でウォレット操作を簡易化

また、ハードウェアウォレット「Keystone」を利用するZashiユーザー向けに、デバイスの再同期および接続解除機能の改善も進められます。

これにより、Keystoneデバイスのリンク解除や再同期が容易になり、ウォレット管理の信頼性が高まると期待されます。

④:P2SH形式マルチシグ対応で資金管理を強化

さらにロードマップにはP2SH形式のマルチシグ対応も含まれています。

これはZcashの開発者ファンドの管理にマルチシグウォレットを取り入れるもので、複数の署名者による承認が必要な仕組みに移行することで資金管理の安全性を強化する狙いがあります。

ECCはまず開発基金(ロックボックス)へのアクセス手段としてKeystone上でマルチシグを活用し、将来的には他のウォレットでもKeystoneを用いた署名が可能になる計画です。

これらの機能拡張によって、プライバシー重視のZcashにおいて取引の秘匿性と資金管理の安全性が一層高められることになります。

Zcash開発の柔軟性と透明性を両立する方針

ECCはロードマップの実行にあたり、柔軟かつ機動的な開発姿勢を強調しています。

同社は「ロードマップは固定的なものではなく、新たな知見や市場環境の変化に応じて柔軟に対応する」と述べており、市場状況や収益動向に合わせて計画やリソース配分を見直す方針です。

また、ロードマップは四半期ごとに目標やタイムラインとともに更新され、半年に一度はコミュニティの開発者を交えて直接協議しながら計画を調整していく方針も示されています。

こうしたオープンな姿勢を通じて、ECCは「誰もが使える実用的なプライバシー技術の構築」に向けコミュニティと協力していくとしています。

Zcashが前年比10倍超の上昇、市場が注目する理由

プライバシー需要の高まりと著名投資家の強気姿勢

記事執筆時点でZcashの価格は462ドル(約7万円)付近の高値圏で推移しており、時価総額は75億ドル(約1兆円)規模に達し、主要プライバシー通貨のモネロ(Monero/XMR)を上回っています。

市場では、この急騰の背景として、暗号資産分野におけるプライバシー需要の再燃や、有力人物による相次ぐ強気発言が指摘されています。

実際、BitMEX共同創業者のアーサー・ヘイズ氏は10月26日、X(旧Twitter)上で「Zcash価格は最終的に10,000ドル(約1,540万円)に達し得る」との大胆な予想を示し、投資家の間で強気な期待を高めました。

監視回避手段としてZcashに資金流入

また各国規制当局が暗号資産取引の追跡やKYC(本人確認)強化に動く中、監視社会へのヘッジ手段として匿名性の高いZcashに資金を移す動きも強まっています。

Zcashが2021年以来初めて200ドルを突破した時期はヘイズ氏の支持表明と重なっており、市場では「ビットコインに対する保険」としてのZcashという位置づけに改めて注目が集まりました。

オンチェーンデータによると、約410万ZEC超が秘匿プール内に蓄積され流通市場から事実上隔離され、総供給量の約27.5%がプライベートアドレスで保持されていることが確認されており、これが価格上昇圧力を高めているとの分析もあります。

急騰後の変動リスクには注意が必要ですが、プライバシー強化策を追い風にZcashが市場で存在感を高めているのは確かであり、今後は今回発表されたロードマップの進捗が評価や価格動向にどのような影響を与えるかが注目されています。

※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=153.95 円)

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Source:ECC公式発表
サムネイル:AIによる生成画像

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BITTIMES 編集長のアバター BITTIMES 編集長 仮想通貨ライター

2016年から仮想通貨に関するニュース記事の執筆を開始し、現在に至るまで様々なWeb3関連の記事を執筆。
これまでにビットコイン、イーサリアム、DeFi、NFTなど、数百本以上の記事を執筆し、国内外の仮想通貨ニュースの動向を追い続けている。

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