マスク氏、新決済機能「X Money」近日ローンチを予告
米実業家イーロン・マスク氏は2025年11月14日、新たな決済機能「X Money」が近日中にローンチされることを明らかにしました。
同氏は自身のX(旧Twitter)上で「X Moneyはまもなく登場します」と述べ、Xがあらゆるサービスを網羅する”スーパーアプリ”となることを強調しました。
𝕏 just rolled out an entire new communications stack with encrypted messages, audio/video calls and file transfer.
𝕏 Money comes out soon.
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𝕏 will be the everything app. https://t.co/7DyLNEgNnw
— Elon Musk (@elonmusk) November 13, 2025
𝕏は、新しいコミュニケーション機能一式をリリースしました。暗号化メッセージ、音声・ビデオ通話、ファイル送受信などに対応しています。
近く𝕏 Moneyも登場予定です。面白いプロダクトを作りたい方はぜひ参加してください。
𝕏は「何でもできるアプリ」になります。
X Moneyは現在、ピアツーピアの送金やデジタルウォレット機能を限定的に提供するベータ版として運用されています。
現時点でX Moneyの決済は法定通貨が中心で、仮想通貨への対応は公式には明言されていませんが、マスク氏がドージコイン(DOGE)を支持していることもあり、将来的な統合の可能性に注目が集まっています。
新メッセージアプリ「Xチャット」を発表
「X Money」構想から見るスーパーアプリ戦略
Xが目指すスーパーアプリ化と決済機能
マスク氏は投稿の中で「Xはあらゆるもののアプリ(everything app)になる」と述べており、中国のWeChatのような多機能「スーパーアプリ」への転換を目指す考えを改めて示しています。
実際、X社は今年に入り決済サービス「X Money」の基盤整備を進めてきました。X MoneyはVisa社との提携によりユーザーのXウォレットとデビットカードを連携させ、個人間送金(P2P)を可能にするサービスで、2025年内の本格展開が計画されています。
発表によると、現在提供中の限定ベータ版では、ユーザー間での送金やデジタルウォレット機能、銀行口座・デビットカード接続といった基本機能が利用可能で、決済処理にはVisaのリアルタイム送金網(Visa Direct)が活用されています。
仮想通貨統合の可能性と否定発言の背景
X社は米国において数十州で送金業者ライセンスを取得済みですが、ニューヨーク州など一部主要地域での承認がまだ得られておらず、全米展開の遅れにつながっていると報じられています。
現時点でX Moneyが対応しているのは、ドルなど法定通貨の送金に限られています。
公式の説明では、X Moneyは米国の決済アプリ「Venmo」や「Cash App」に似た法定通貨ベースのデジタルウォレット機能として位置付けられており、仮想通貨の統合についてマスク氏やX社から具体的な言及はありません。
マスク氏はかねてより社名を冠した独自トークンを発行する計画を否定しており、2023年8月には「Xの独自トークンを作ることは決してない」と明言しています。
そのため、仮に将来X Moneyが仮想通貨に対応した場合でも、新たなコインではなく、ビットコイン(BTC)やドージコインなど既存資産の活用になるとみられています。
ドージコイン統合に高まる期待と憶測
マスク氏による今回の発表は、仮想通貨コミュニティでドージコイン統合への憶測を再燃させました。
ドージコインは過去にもマスク氏の発言で相場が急騰・急落する傾向があり、11月3日には愛好家の投稿に「It’s time(時が来た)」とコメントしただけで、関連トークンが数日で300%以上高騰する例もありました。
記事執筆時点でX Moneyとドージコインを結びつける公式な計画は示されておらず、ドージコインを含む仮想通貨の決済対応が実現するかどうかはまだ不明です。
ビア氏の参画でX決済構想に注目
アプリで進化する仮想通貨決済の今と未来
マスク氏の「X Money」計画が注目を集める一方で、他社によるアプリ上の仮想通貨決済の動きも進んでいます。
例えば、ジャック・ドーシー氏率いる決済アプリCash Appでは、ビットコイン決済機能が拡充され、ユーザーが仮想通貨を直接保有せずに米ドルでビットコインを送金できるサービスを提供しています。
同サービスでは、近く一部ユーザーを対象にアプリ上でステーブルコインの送受信にも対応する予定です。
また、決済大手Visaは11月12日、企業がクリエイターやフリーランサーに対して米ドル連動型ステーブルコイン「USDコイン(USDC)」で直接支払いできる新しい送金システムのパイロット版を発表しました。
同社はこの取り組みにより、従来数日かかっていた国際送金をブロックチェーンを活用して数分程度で完了させ、銀行口座を持たない人々にも迅速かつ安定した価値で資金を届けることを目指しています。
こうした大手企業の仮想通貨決済への取り組みが相次ぐ中、X Moneyを含む「スーパーアプリ」競争の行方にも注目が集まっています。
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Source:イーロン・マスク氏X投稿
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