Xの仮想通貨決済に動きか|元ソラナ顧問がマスク氏体制下で製品責任者に就任

Xの仮想通貨決済に動きか|元ソラナ顧問がマスク氏体制下で製品責任者に就任(Former Solana advisor appointed as Head of Product under Elon Musk at X, sparking crypto payment speculation)
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元ソラナ顧問がXの製品責任者に就任

2025年7月1日、ソラナ(SOL)開発企業であるSolana Labsの元顧問であるニキータ・ビア氏がX(Twitter)の製品責任者に就任したことが明らかになりました。

この人事を受けて、Xが仮想通貨決済機能を導入する可能性についての仮想通貨(暗号資産)コミュニティ内で憶測が再び広がっています。

特にイーロン・マスク氏が愛好する仮想通貨ドージコイン(Dogecoin/DOGE)への期待感が市場で高まっており、発表直後にはDOGE価格が一時上昇する場面も見られました。

なお、X社は記事執筆時点でドージコインなどの特定の仮想通貨を決済手段として採用する方針について公式な発表を行っておらず、これらの見解は憶測の段階にとどまっています。

ビア氏は米国の著名なソーシャルアプリ起業家として知られており、若者向け匿名投票アプリ「tbh」を創業し、2017年にMeta社へ売却しました。さらに2023年には、友人間称賛アプリ「Gas」をDiscord社に譲渡した実績もあります。

2025年3月にはSolana Labsに顧問として参画し、ブロックチェーンを活用したモバイルアプリ開発支援を行うなど仮想通貨業界との関わりも深めてきました。

同氏は、自身のXで「これからはプロダクトに携わる立場として、より多くの人が価値を実感できるよう力を尽くす」と述べ、Xの製品責任者に就任したことを報告しています。

皆さまへご報告です。

このたび、Xにてプロダクト責任者に就任することとなりました。

Xは、世界で最も重要なソーシャルネットワークです。インターネットカルチャーがここから生まれ、世界中の影響力ある人々が集まる場所でもあります。

(中略)今後は、Grokの力も活用しながら、ユーザー一人ひとりにとって関連性の高いタイムラインを実現し「今起きていることを理解する手助け」をしていきます。

(後略)

ビア氏の参画でX決済構想に注目が集まる

ビア氏の起用を受けて、Xが仮想通貨決済分野に注力していく姿勢に対する注目が高まっています。

マスク氏が掲げる「Everything App(何でもできるアプリ)」構想を実現する上で、決済機能は重要な要素と位置付けられており、ビア氏が持つ仮想通貨分野の知見が、Xの戦略にどのように反映されるのかに期待が寄せられています。

X社は2023年以降、アリゾナ州・ジョージア州・ミシガン州などを含む米国の複数の州で送金業ライセンスを取得しており、プラットフォーム内での送金機能実装に向けた準備を進めていると報じられました。

こうした背景から、ビア氏の着任は仮想通貨統合に向けた布石との見方もあります。

ドージコイン採用の期待と課題

仮想通貨市場では、特にドージコインがXプラットフォームに採用されることへの期待が依然として根強く存在しています。

マスク氏は以前からDOGEへの愛着を公言しており、過去の発言がドージコインの価格を急騰させたこともありました。

ビア氏がソラナ関連の経歴を有していることから、ソラナを含む他の仮想通貨の活用可能性にも言及する声が一部で上がっています。

ただし、現時点でX社は特定の仮想通貨への対応について公式な言及を行っていないため、ドージコインをはじめとする仮想通貨がXの決済システムに導入されるかは明らかになっていません。

Grok統合によるタイムライン機能強化が優先か

なお、ビア氏の役割は仮想通貨機能に直結するものではなく、着任後は社内AIチャットボット「Grok」の統合によって、Xのタイムライン機能を強化する方針を明らかにしています。

同氏は、ユーザーがリアルタイムの会話をより深く理解できる「ハイパー関連タイムライン」の構築を目指すとしており、こうした製品改善の流れの中で、今後仮想通貨決済機能の導入が検討される可能性も示唆されています。

SNSから金融へ進化するXの決済戦略

現在、Xプラットフォームでは決済サービス導入に向けた取り組みが本格化しています。

「X Money」がもたらす決済の変革

2025年5月、マスク氏は自身のXアカウントで、決済サービス「X Money」の限定ベータ版を近日中に開始する意向を示しました。

この「X Money」は、ユーザー間で送金・支払いができるX内蔵のデジタルウォレットであり、決済大手Visa社との提携によって提供されることが1月末に発表されています。

ユーザーはデビットカードをXアカウントに紐付けることでピアツーピア(P2P)送金やウォレットへの即時入金・銀行口座へのリアルタイム出金が可能になる予定で、正式版サービス「X Money Account」は、2025年後半に開始される予定と伝えられています。

マスク氏は「当初は限定的なベータ版とし、人々の大切な資産を扱う以上、極めて慎重に進める必要がある」と述べ、サービスの安全性を最優先に考える方針を強調しています。

X Moneyと仮想通貨統合の行方

また、X社関係者による金融サービスの拡充を示唆する発言も相次いでいます。

2025年6月、X社CEOのリンダ・ヤッカリーノ氏はインタビューで「近くX上で投資やトレーディング(資産取引)機能を提供する計画がある」と明かしました。

これは、株式や仮想通貨などの売買をXプラットフォーム内で完結できる可能性を示唆するもので、実現した場合、ユーザーはX上で直接資産運用を行うことが可能になる見込みです。

ただし、ヤッカリーノ氏およびマスク氏ともに仮想通貨決済への直接言及は避けており、X Moneyをまずは法定通貨ベースの送金サービスとしてローンチし、将来的な仮想通貨対応に含みを持たせる戦略をとっていると見られます。

現時点ではドージコインを含む具体的な仮想通貨対応について公式な発表はありませんが、Xが金融領域へ本格参入する中で、仮想通貨コミュニティからの期待は依然として高まっています。

今後のX社による発表内容次第では、ドージコインを含む仮想通貨の価格に影響を与える可能性があるとされ、業界関係者の関心が高まっています。

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Source:ニキータ・ビア氏X投稿
サムネイル:Shutterstockのライセンス許諾により使用

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Written by

BITTIMES 編集長のアバター BITTIMES 編集長 仮想通貨ライター

2016年から仮想通貨に関するニュース記事の執筆を開始し、現在に至るまで様々なWeb3関連の記事を執筆。
これまでにビットコイン、イーサリアム、DeFi、NFTなど、数百本以上の記事を執筆し、国内外の仮想通貨ニュースの動向を追い続けている。

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