この記事の要点
- NoBorder DAOが2月25日「サナエトークン」発行
- 高市首相の名を冠した初のトークン、ソラナ上で展開
- 取引開始後に初値から一時約30倍へ急騰
- 公認後援会もXで共感を表明、法的論点が浮上
高市首相名「サナエトークン」発行、初値から急騰
Web3コミュニティ「NoBorder DAO(ノーボーダーDAO)」は2026年2月25日、高市早苗首相の名を冠した「サナエトークン(SANAET)」をソラナ上で発行したと明らかにしました。
同トークンは、NoBorder DAOが推進する「Japan is Back」プロジェクトにおける意見収集のインセンティブとして設計され、分散型取引所Raydium(レイディウム)で取引開始後、初値から一時約30倍まで上昇しました。
画像:CoinMarketCapより引用
NoBorder公式X(旧Twitter)アカウントは同日、トークン発行を告知し、プロジェクトの趣旨を「新しいテクノロジーで民主主義をアップデートする」と説明しています。
新しいテクノロジーで民主主義をアップデートする「Japan is Back」プロジェクトを推進するためのインセンティブトークン「SANAE TOKEN」が本日発行されました。
「Japan is Back」は、NoBorderアプリコミュニティの意見を踏まえながら、…— NoBorder/ノーボーダー【公式】 (@NoBorder_info) February 25, 2026
さらに、発行当日には高市首相の公認後援会アカウント(@TakaichiKoenkai)もXで引用投稿を行い、プロジェクトへの共感を示しました。
現職首相の名を冠したトークンが、政治との距離感を想起させる形で流通市場に現れたことは、市場の注目を集めています。
片山大臣「2026年はデジタル元年」
意見集約×Web3の枠組みとサナエトークンの役割
藤井聡氏中心で進む「意見集約」プロジェクト設計
「Japan is Back」プロジェクトは、DAO(分散型自律組織)による共同作業とAI・Web3技術を組み合わせ、日本の民主主義の意思決定プロセスへの新たな参加モデルの構築を目的に掲げています。
NoBorder公式Xによると、同プロジェクトは京都大学大学院教授の藤井聡氏を中心に、NoBorderアプリコミュニティの議論を踏まえながら推進されているとしています。
具体的には、NoBorderアプリに追加予定の「ブロードリスニング」機能を通じて国民の意見を収集し、政策決定プロセスへ反映させる構想が示されています。
ブロードリスニングは、テクノロジーを用いて多様な意見を収集・可視化し、意思決定の参考情報として活用する仕組みとされています。
同様の手法は海外でも導入例があり、台湾ではオードリー・タン氏のもとで国家規模の実証が進められています。NoBorderも、日本国内で同様の枠組みの実装を目指す方針を示しています。
参加者の偏り対策としてトークン案が浮上
こうした意見収集の取り組みを進める中で、参加者の裾野を広げる必要性が課題として挙げられていました。
Japan is Back公式サイトによると、インセンティブが存在しない場合、参加者に偏りが生じる可能性があり、回答結果の代表性を確保するための十分なサンプル数の確保が必要とされていました。
こうした課題への対応策として、参加者へのインセンティブとしてトークンを活用する案がコミュニティ内で提起され、その具体化としてサナエトークンの発行に至ったとしています。
トークン名称については、NoBorder公式Xの投稿で「民主的に選ばれたリーダーを象徴する言葉として“サナエ”を冠する流れになった」と説明しています。
NoBorder DAOの運営背景と供給設計
NoBorder DAOは、BreakingDown(ブレイキングダウン)のCOO溝口勇児氏が手がける政治系YouTube番組「NoBorder(ノーボーダー)」を母体としており、同番組のショート動画は累計再生数1億回を超える規模に達しています。
トークノミクスについては、リザーブ分を運営費用に充当しつつ、段階的に市場へ供給する方針が公式サイトで示されています。
また、エアドロップ分については、総供給量の20%を複数回に分けて配布する供給設計とされています。
供給計画を巡る法的指摘と市場の反応
一方で、このトークンの供給構造を巡っては法的観点からの指摘も出ています。
一部メディアによると、総供給量の65%を運営側が継続的に売却する計画については、日本の資金決済法上の暗号資産(仮想通貨)交換業に該当する可能性があるとされています。
また、公式サイトの構成などを踏まえ、日本居住者を対象としたプロジェクトとみなされる可能性があるとの見方も出ています。
公式サイトでは「投機目的ではない」と説明されていますが、実際には取引開始直後に価格が初値から約30倍まで上昇する場面も確認され、市場では投資対象としての売買が先行する状況となりました。
現職首相の名を冠したトークンがDAO主導で発行され、取引開始直後に価格が大幅上昇を記録した事例として、日本のWeb3市場における政治関連トークンの新たな事例として注視されています。
暗号資産がZ世代の資産形成に浸透
政治関連トークンの国際事例と制度面の論点
公式ミームコイン$TRUMPと規制議論の拡大
政治的影響力を持つ人物の名を冠したトークン発行を巡っては、海外で規制や倫理面の議論が進んでいます。
米国ではドナルド・トランプ大統領が2025年1月にソラナ上で公式ミームコイン「$TRUMP」を発行し、取引開始後に初値から2,000%超の上昇を記録しました。
その後、トランプ氏が$TRUMPの上位保有者をホワイトハウス晩餐会に招待したことが倫理面の論点として取り上げられ、米民主党のクリス・マーフィー上院議員らが、公職者による仮想通貨の発行や宣伝を禁じる「MEME法案」を2025年5月に提出しました。
日本の制度環境と「政治名冠トークン」の論点
日本では2019年の閣議決定で、暗号資産が政治資金規正法上の「金銭及び有価証券」に該当しないと判断された経緯があり、仮想通貨と政治活動の関係に関する法整備は進んでいません。
こうした制度的背景の中で、サナエトークンは、米国のように政治本人が関与する形ではなく、民間のDAO組織であるNoBorder DAOが主体となって発行されています。
また、公認後援会がSNS上でプロジェクトへの支持を表明していることも確認されており、現職首相の名称を冠したトークンが民間主導で発行され、流通市場で価格上昇を伴った事例として関心を集めています。
日本関連の注目記事はこちら
Source:NoBorder公式X
サムネイル:AIによる生成画像



























