仮想通貨がもらえるエアドロップとは？参加方法・注意点・税金などについて解説

仮想通貨（暗号資産）を無料で獲得できる「エアドロップ」について、初心者の方にも理解しやすいように解説します。

この記事では、エアドロップの基本的な概念から、具体的な実施例、報酬を受け取るための方法、注意すべき点、さらには税金に関する基礎知識まで、幅広くカバーしています。エアドロップに興味がある方や、より多くの仮想通貨を効率的に入手したい方にとって、有益な情報源となるでしょう。

この記事を通じて、エアドロップの全体像を把握し、安全かつ効果的に参加するための知識を身につけることができます。仮想通貨市場の動向や、各プロジェクトの特徴、さらには自己管理型ウォレットの重要性など、エアドロップに関連する様々な側面にも触れていきます。

エアドロップは仮想通貨業界特有の現象であり、その仕組みや参加方法を理解することで、仮想通貨投資の新たな可能性が開けるかもしれません。ただし、詐欺や不正なプロジェクトも存在するため、慎重な姿勢で臨むことが重要です。

仮想通貨のエアドロップとは？

エアドロップ（Airdrop）とは、企業やプロジェクトが暗号資産（仮想通貨）やトークンを一般ユーザー向けに無料配布する行為やイベントのことを指します。エアドロップにはプロジェクトやトークンの認知度を高めたり、ユーザー基盤を強化する狙いがあります。

一般的なエアドロップイベントではエアドロップ報酬を獲得するための条件が定められていることが多く、基本的には「条件を満たしたユーザーに対して自動的にトークンが配布されるケース」と「エアドロップ対象者が自分自身で請求を行う必要があるケース」があります。

ただし、エアドロップは「自己管理型ウォレットで仮想通貨を保有している人」を対象に実施されることが多く、「暗号資産取引所の口座で仮想通貨を保管している人」はエアドロップの対象外となることも多いため、参加を希望する場合は注意が必要です。

一部の暗号資産取引所は"取引所側が受け取ったエアドロップ報酬を対象ユーザーに配布する対応"をとっていますが、そのような対応を行わない取引所も多いため、確実にエアドロップ報酬を獲得したい場合は「自分自身のウォレットで仮想通貨を保有して、エアドロップ情報をしっかりと確認すること」が重要です。

エアドロップ参加の際は、プロジェクトの信頼性や条件を十分に確認し、セキュリティにも注意を払うことが大切です。

スナップショットとは？

「スナップショット」は配布数量や対象者などを決めるためなどに実施される「仮想通貨保有量などの記録行為」のことを指します。

専門的な言葉を使うと「特定の時点におけるブロックチェーンのデータを記録する行為」のことであり、具体的にはブロックチェーンに記録されている全てのアドレス情報と関連するデータ（トランザクション・手数料・メタデータなど）が記録されることになります。

エアドロップでは「2025年2月1日7時00分にＡという仮想通貨を100枚以上保有している人に報酬を配布する」といったように条件が定められるケースが多いため、この条件を満たした人を特定するためにスナップショットが実施されます。

スナップショットを実施するタイミングは「事前に発表されるケース」と「発表されないケース」がありますが、事前にスナップショット日時が発表されている場合は、そのタイミングで条件を満たせるように準備しておくことが重要です。

エアドロップの実施例

エアドロップが行われるケースは様々で、予告なしで突然トークンが配布される場合もあれば、事前にエアドロップが告知されて指定条件を満たした場合にエアドロップ報酬を獲得できるケースもあります。

過去に実施された具体的なエアドロップの実施例としては以下のようなものが挙げられます。

• 新プロジェクトのローンチを記念した配布
• NFT保有者を対象とした配布
• サービス利用者を対象とした配布
• 特定トークン保有者を対象とした配布
• ステーキング参加者を対象とした配布
• 分散型自律組織（DAO）参加者への配布
• その他のタスクを完了したユーザーへの配布

新プロジェクトのローンチを記念したエアドロップでは「既存トークンの保有者にトークン保有量に応じた枚数を配布する」といった方法が採用されることも多いため、仮想通貨を保有しているだけで運よくエアドロップ報酬がもらえるケースもあります。

しかし、現在はエアドロップ報酬配布に条件が定められているケースも多く、頻繁にサービスを利用している人のみを対象にエアドロップするケースも多いため、より多くのエアドロップ報酬を受け取りたい場合は積極的に仮想通貨関連サービスを利用することが重要となってきています。

ただし、仮想通貨業界では「エアドロップを謳う詐欺プロジェクト」や「実際のエアドロップに便乗した偽サイト」なども増えているため、そのような詐欺には十分注意することが重要です（※詳細は「エアドロップに参加する場合の注意点」に記載）。

エアドロップ事例が多いブロックチェーンは？

エアドロップは様々なブロックチェーンを基盤とした複数のプロジェクトで実施されていますが、記事執筆時点ではソラナ（Solana/SOL）関連のプロジェクトで特に多くのエアドロップ報告がなされています。

仮想通貨プロジェクトに幅広く関わることで、エアドロップ報酬を受け取れる確率が上がる可能性がありますが、同時に詐欺被害のリスクも高まり、資産が複数のチェーン・プロジェクトに分散するため、自己管理が困難になる可能性があります。そのため、過度に多くのプロジェクトに関与することは推奨できません。

エアドロップ事例が多いブロックチェーンを把握しておくことで、エアドロップ報酬獲得の可能性が高まると考えられます。以下に、エアドロップ事例が比較的多いブロックチェーンをまとめましたので、参考程度にご活用ください（※各リンクをクリックすれば対象チェーンの最新ニュースを確認できます）。

• ソラナ（Solana/SOL）
  ソラナは「トランザクション手数料が安く、取引処理速度が速い」という特徴を持つブロックチェーンであり、ソラナ基盤のトークンを発行する事例も多いため、エアドロップも多い傾向があります。
• イーサリアム（Ethereum/ETH）
  イーサリアムは時価総額ランキング2位に位置する代表的なブロックチェーンであるため、イーサリアム基盤のプロジェクトやトークンも多く、エアドロップも多い傾向があります。ただし、Ethereumのネットワークはガス代が高いため注意が必要です。
• オープンネットワーク（The Open Network/TON）
  The Open Networkはメッセージングアプリ「Telegram」との関わりが深いブロックチェーンであり、TelegramではWeb3関連のミニアプリが続々と登場しているため、それに関連するエアドロップも多い傾向があります。
• ワールドチェーン（Worldchain/WLD）
  Worldchainは認証を終えた人間に仮想通貨WLDを配布していることで知られる「World」の独自チェーンです。Worldchainは比較的新しいチェーンであり、WorldもWLDを配布しているため、エアドロップ関連のプロジェクトも多い傾向があります。

これらのブロックチェーンに関連するプロジェクトや最新情報を追跡することで、エアドロップの機会を見逃さないようにすることができるでしょう。ただし、常に慎重な姿勢を保ち、プロジェクトの信頼性を十分に確認してから参加することが重要です。

エアドロップ報酬を受け取る方法は？

エアドロップ報酬を確実に受け取るためには、自己管理型ウォレットの利用が重要です。特にMetaMask（メタマスク）などの人気ウォレットを使用し、そこで仮想通貨を保管することをおすすめします。また、最新のエアドロップ情報を常にチェックし、参加条件を満たせそうな案件に積極的に関わることが大切です。

中央集権型の仮想通貨取引所でもエアドロップが実施される場合がありますが、多くの場合、取引所側がエアドロップを告知せず、実施しないケースも多いため、自己管理型ウォレットの使用が望ましいです。

情報収集の面では、X（旧Twitter）などのSNSを活用するのが効果的です。エアドロップ関連の情報を頻繁に発信しているアカウントをフォローしておくと、最新情報をいち早くキャッチできる可能性が高まります。

エアドロップ報酬を獲得するチャンスを増やすための具体的な行動としては、以下のようなものが挙げられます：

• エアドロップ情報を入手して参加
  エアドロップが事前に告知されるケースがあるため、情報をいち早くキャッチして必要なタスクを完了すれば、エアドロップ報酬を得られる可能性があります。
• 各種サービスを積極的に利用する
  仮想通貨関連サービスでは「サービス利用者を対象としたエアドロップ」が実施されることもあるため、普段から様々なサービスを利用していれば、エアドロップ報酬を得られる可能性があります。
• ウォレットで仮想通貨を保有
  特定のトークンを保有しているだけでエアドロップ報酬がもらえることもあるため、自己管理型ウォレットで仮想通貨を保有していれば、エアドロップ報酬を得られる可能性があります。
• ウォレットでNFTを保有
  NFT関連のプロジェクトでは「NFT保有者を対象としたエアドロップ」が実施されることもあるため、NFTコレクターもエアドロップ報酬を得られる可能性があります（※ごく一部の事例なので注意）。
• 仮想通貨をステーキングする
  仮想通貨プロジェクトによっては「既存銘柄のステーキング参加者を対象としたエアドロップ」が実施されることもあるため、自己管理型ウォレットで仮想通貨をステーキングしておけば、エアドロップ報酬を得られる可能性があります。
• テストネットなどに参加する
  仮想通貨プロジェクトによっては「ローンチ前のテストネットに参加した人を対象としたエアドロップ」が実施されることもあるため、開発中プロジェクトのテストに参加すれば、エアドロップ報酬を得られる可能性があります。
• エアドロップ予定のゲームなどをプレイ
  TelegramやWorld Appなどでは「エアドロップを予定するミニゲーム」などが多数展開されているため、そのようなゲームを積極的にプレイしておけば、エアドロップ報酬を得られる可能性があります。

ただし、エアドロップを実施するプロジェクトの数は限られているため、過度に多くのサービスを利用したり、不用意にウォレットを接続したりすることは避けるべきです。詐欺被害のリスクもあるため、サービスの利用やウォレットの接続には細心の注意を払う必要があります。

エアドロップへの参加は、仮想通貨業界の動向を学び、新しいプロジェクトに触れる良い機会にもなります。しかし、あくまでも副次的な報酬と捉え、過度な期待や依存は避けるようにしましょう。

エアドロップ報酬を見逃さないためのツール

仮想通貨のエアドロップでは、気付かない間に報酬が付与されているケースもあります。場合によっては「エアドロップ報酬の請求期限」が定められている場合もあるため、エアドロップ報酬を見逃さないことも重要です。

現在は「エアドロップ報酬の受取資格を一括確認できるツール」などが複数リリースされているため、そのようなツールを利用して定期的にチェックしておけば、エアドロップ報酬を見逃すリスクを下げることができると期待されます。

エアドロップ報酬を見逃さないために役立つツールとしては以下のようなものが挙げられます（※リンククリックでサイトにアクセスできます）。

• CoinMarketCap
  CoinMarketCapは仮想通貨関連の様々な情報を発信する有名サイト。エアドロップ専用ページにアクセスすれば、最新のエアドロップ情報を確認できる。
• Sonar Watch
  Sonar Watchは複数のブロックチェーンに対応したマルチチェーンダッシュボード。サイト内の「Airdrop Checker」でウォレットアドレスを入力するとエアドロップ受取資格を一括確認できる。
• Airdrop Alert
  仮想通貨のエアドロップに関する最新情報を発信しているサイト。エアドロップに関する情報収集に役立つ。

これらのツールを活用することで、エアドロップ報酬の見逃しを防ぐことができます。ただし、各ツールの利用にあたっては、セキュリティに十分注意を払う必要があります。特に、ウォレット接続を求められる場合は、正規のサイトであることを確認してから操作を行うようにしましょう。

エアドロップに参加する場合の注意点

エアドロップは「無料で仮想通貨やNFTがもらえる可能性がある」という点で非常に魅力的ですが、時には手数料などで結果的にマイナスになってしまうケースもあり、最悪の場合は詐欺被害などで全資産を失ってしまう可能もあるため、事前にリスクや注意点をしっかりと理解して細心の注意を払うことが重要です。

仮想通貨のエアドロップに参加する場合の注意点・知っておくべきポイントとしては以下のようなもの挙げられます。

• 詐欺被害に遭う可能性がある
  エアドロップ界隈では詐欺行為が非常に多い。SNSなどで偽サイトに誘導して暗号資産を盗むケースや、詐欺に誘導する詐欺トークンを勝手に送りつけるケースもあるため、サイトアクセス時・ウォレット接続時には細心の注意が必要。
• 秘密鍵や復元フレーズなどは絶対教えないように
  エアドロップ関連の詐欺では「様々な理由をつけてユーザーの秘密鍵・復元フレーズ・パスワードを聞き出そうとするケース」がある。これらの情報を教えると資産を盗まれてしまうため、何があろうと絶対に教えてはならない。
• ガス代などの手数料がかかる場合もある
  自分でエアドロップ報酬を請求しなければならないケースでは、報酬請求時にガス代がかかる場合もある。ガス代が高額で報酬が少ない場合には、結果的にマイナスで終わってしまう可能性もある。
• 配布されたトークンに価値がつかない可能性もある
  エアドロップされたトークンの価格は必ず上昇するわけではなく、価値がつかなかったり、価格が急落してほぼ無価値なトークンになる可能性もある。
• 配布されたトークンが課税対象となる場合がある
  エアドロップで受け取った暗号資産もその時の状況に応じて課税対象となる可能性がある。受け取った時点では課税対象となる場合がある他、受け取った仮想通貨を売却した場合にも税金が発生するため、損益計算や確定申告などを忘れないようにすることが重要。

エアドロップされた仮想通貨にかかる税金

日本では暗号資産で得た利益は雑所得に区分されるため、仮想通貨の売買・仮想通貨決済・仮想通貨同士の交換などで一定の利益を得た場合には、確定申告を行なって税金を納める必要があります。

一方、エアドロップで仮想通貨を受け取るケースでは「受け取った仮想通貨に価値がない場合」と「受け取った仮想通貨に価値がある場合」があるため、その時の状況によって課税対象となるかどうかが決まると考えられます。

エアドロップで暗号資産を受け取った時点でその暗号資産に価値がなかった場合には、取得価額が0円となり、その時点では課税対象とならないと考えられますが、エアドロップで受け取った暗号資産を市場で売却した際には利益が発生することになり、その利益が課税対象となるため注意が必要です。

エアドロップで暗号資産を受け取った時点でその暗号資産に価値がついていた場合には、その時の価値に基づいて所得を計算する必要があると考えられます。また、価値がある暗号資産をエアドロップで獲得して、価格上昇後に売却した場合には、取得価額と売却価格に基づいて利益を計算する必要があります。

仮想通貨関連の税金は複雑でケースによって詳細が異なるため、エアドロップされた仮想通貨にかかる税金の詳細については最寄りの税務署や国税庁に確認するか、税理士の方などにご相談ください。

エアドロップに関するまとめ

エアドロップは、うまく活用すれば無料で暗号資産を獲得して大きな利益を狙える可能性があるため、仮想通貨投資における魅力的なポイントの1つであると言えます。

しかし、実際にエアドロップに参加する場合には「ウォレットで自己管理する知識・エアドロップ情報を収集する能力・詐欺被害などを避けるための知識と注意力」などが必要となるため、仮想通貨に関する知識に自身がない場合は、先に必要な知識を身につけておくことが重要です。

ウォレットへの資金移動やブロックチェーン上での取引などは最初は難しく感じるかもしれませんが、それらの作業に慣れればエアドロップにも参加することが可能になり、分散型金融（DeFi）などの新しいサービスにもチャレンジできるため、仮想通貨の魅力をより深く楽しみたい場合は"エアドロップ参加"を目標に勉強してみても良いかもしれません。

エアドロップに関する情報はXなどのSNSでも数多く発信されていて、当メディアでも定期的にエアドロップ情報を発信していますので、参加を検討している方はそれらの情報をご活用ください（※偽情報・詐欺サイトなどには十分ご注意ください）。

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執筆・翻訳：BITTIMES 編集部
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