この記事の要点
- 2026年3月24日、仮想通貨データ企業Kaikoが現物取引の構造を発表
- 中央集権型取引所で現物取引の83%がUSDT・USDC建てに拡大
- 法定通貨建てペアは17%に減少し、銀行経由の決済は少数派に
- ステーブルコインが市場の主要決済基盤として定着
まずはステーブルコインを詳しく
現物取引の83%がUSDT・USDC建て、法定通貨離れが鮮明に
仮想通貨データ企業Kaiko(カイコ)が2026年3月24日に公表したデータによると、中央集権型取引所における現物取引のUSD建てボリュームのうち83.03%をステーブルコイン建てペアが占め、法定通貨建てペアは16.97%にまで低下したことが明らかになりました。
ビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)を売買する際に、銀行口座や法定通貨を経由する必要がある取引はすでに少数派となっており、USDTやUSDCといったステーブルコインが仮想通貨市場における実質的な決済基盤として機能する構造が確立しています。
Kaikoは今回のデータについて、単なる利便性の向上にとどまらず、ステーブルコインが市場全体の決済・流動性・価格形成を担う「市場内ドル」として機能するに至ったことを示すものだと説明しています。
Stablecoins are extending their hold on the Ccypto markets.
Stablecoins have captured 83% of USD spot trading volumes, relegating fiat pairs to legacy infrastructure pic.twitter.com/T7LeVT2SzD
— Kaiko (@KaikoData) March 24, 2026
ステーブルコインが仮想通貨市場を席巻しています。
現物取引の83%が米ドル建てステーブルコインで行われており、法定通貨での取引はほとんど存在感を失っています。
ステーブルコインが生活圏へ浸透
ステーブルコイン利用が83%に、市場を動かした2つの力
24時間取引と低スプレッドが法定通貨離れを加速
Kaikoのデータによると、2021年時点のステーブルコイン建て取引比率は77.75%であり、フィアット(法定通貨)建てペアはまだ22.25%のシェアを維持していました。
その後、2024〜2025年にかけてステーブルコインの比率は80%の水準を突破し、2026年3月に83.03%へと到達しています。特定のイベントによる急変動ではなく、複数年にわたる構造的な移行がこの数字に表れています。
「BTC/USDT」や「ETH/USDC」のような組み合わせは、銀行の営業時間や決済の遅延に縛られることなく24時間取引できる点で法定通貨建てペアに対して構造的な優位性を持っています。
流動性の深さとスプレッドの狭さがステーブルコイン建てペアへの移行を加速させた主因として挙げられており、こうした特性が機関投資家・個人投資家双方の採用を後押ししてきたとされています。
資本規制や銀行インフラが未整備な地域では、ステーブルコインが送金・給与支払い・日常取引の並行ドルレールとして機能しており、こうした米国外での需要拡大が取引量を底上げする構造となっています。
発行体の集中はリスクか、USDT80%超が示す市場の偏り
ステーブルコイン建て取引の内訳では、テザー(USDT)がステーブルコイン全体のボリュームの80%超を占め、圧倒的な首位を維持しています。
同レポートによれば、USDコイン(USDC)はUSDTを大きく下回るものの、規制対応環境での採用が進んでおり一定のシェアを確保しています。
一方、ユーロ建てステーブルコインはEUのMiCA規制による枠組みが整備されたにもかかわらず、米ドル建てステーブルコインと比べると取引量は極めて小さく、ドル建て資産への集中は続いています。
米国の規制当局は2025年以降、ステーブルコイン発行と準拠運営に向けた政策枠組みを整備しており、米国の銀行口座へのアクセスを持たない取引所がステーブルコイン建てペアを通じて取引活動をルーティングする流れをさらに加速させているとみられています。
オンチェーン・オフチェーン双方で機能、ステーブルコインの浸透度
ステーブルコインの役割は中央集権型取引所の決済を超え、DeFi(分散型金融)においても流動性プール・貸出市場・利回り戦略の中核を担う基幹インフラへと拡大しています。
担保資産としての位置づけから始まったステーブルコインは、現在では中央集権型・オンチェーンの両市場を横断して機能する存在となっており、仮想通貨経済全体の根幹をなすレイヤーとして定着しています。
ただし、市場集中・準備金の透明性・規制当局による監視という3つの課題は引き続き業界全体の論点となっており、ステーブルコインが従来型決済ネットワークの規模に近づくにつれてその重要性はさらに高まる見通しです。
「銀行主導の決済インフラ構築へ」
米国が規制枠組みを整備へ、ステーブルコイン市場の次の転換点
ステーブルコインをめぐっては、米国での立法議論が本格化しており、上院銀行委員会は4月にも仮想通貨市場構造法「CLARITY(クラリティ)法案」のマークアップを実施する方針を示しています。
立法の動向次第では、機関投資家によるステーブルコイン活用がさらに拡大する可能性があります。
決済基盤としての地位を固めたステーブルコインが、規制の明確化を追い風に83%をさらに上回る水準へと比率を押し上げるのか、今後の市場構造の変化が注目されます。
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Source:Kaikoレポート
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