この記事の要点
- S&Pとパンテラが収益基準で選ぶ仮想通貨新指数を共同発表
- 収益を生む18銘柄を採用、指数連動ETFの商品化も協議中
S&P×パンテラ、収益基準の新指数を共同発表
米S&P Dow Jones Indices(S&Pダウ・ジョーンズ・インデックス)は2026年7月21日、米Pantera Capital(パンテラ・キャピタル)と共同で、仮想通貨(暗号資産)の新指数を立ち上げたと発表しました。
新指数「S&Pパンテラ・デジタル・アセット・インデックス」は、トークン保有者に経済的な価値をもたらすデジタル資産を対象とし、収益性を重視して構成される点を特徴としています。
この仕組みにより、実際に利用され収益を生んでいるトークンや関連企業を組み入れ対象とし、価格の勢いや知名度を軸とする既存指数とは異なる考え方を採用しています
発表にあわせて公開された資料によると、構成銘柄は現時点で18銘柄となっており、上位5銘柄はイーサリアム(ETH)、BNB、ソラナ(SOL)、トロン(TRX)、ハイパーリキッド(HYPE)となっています。
「24時間オンチェーン」解禁
収益基準で銘柄を選ぶ仕組みと設計
停止銘柄やミームコイン除外、収益順に選定
S&Pダウ・ジョーンズ・インデックスは、指数の選定ルールをまとめたメソドロジー(算出要領)を公開しています。
同要領によると、選定の母集団には既存指数「S&P Cryptocurrency Broad Digital Asset Index」を採用し、その中から一定の条件を満たした銘柄だけを組み入れ対象とします。
対象となるのは、時価総額5億ドル(約800億円)以上で十分な流動性を備えた銘柄で、その一方で、ミームコインや開発が実質的に停止した銘柄は対象外とされています。
対象銘柄は、直近2四半期の収益額が多い順に並べられ、母集団全体の収益の99%を占めるまで上位から採用されます。その後、調整後の時価総額をもとに組み入れ比率を決定し、四半期ごとに見直しが行われます。
年換算30億ドル超の収益を生む18銘柄
パンテラも、発表にあわせて公表した投資家向けレターで「この指数に採用された18銘柄は、直近2四半期だけで年換算30億ドル(約4,800億円)を超える収益を生み出した」と説明しています。
同レターでは、バイバック(買い戻し)やステーキング報酬などを通じて、その収益が実際にトークン保有者へ還元されているかどうかも重視するとしています。
具体例として、分散型取引所のハイパーリキッドやソラナ、貸付サービスのAave(アーベ)など、利用者から得た収益をトークン保有者へ還元する仕組みを持つプロジェクトとして紹介されました。
S&P500の規律を仮想通貨にも適用
S&Pダウ・ジョーンズ・インデックスのキャシー・クレイCEOは発表文で「信頼できるベンチマークで市場のノイズを切り抜けてきた規律を、デジタル資産にも持ち込む」とコメントしました。
同氏は、S&P500などで採用してきたファンダメンタルズ(基礎的条件)重視の考え方をデジタル資産市場にも取り入れ、分散投資に活用できる指数を目指したと説明しています。
一方、パンテラ創業者でマネージング・パートナーのダン・モアヘッド氏は、「仮想通貨で最大の摩擦点は変わらず、どう配分するかを知ることにある」と述べ、投資家が抱える資産配分の難しさに指数づくりで応える考えを示しました。
なお、指数の算出には、価格データを仮想通貨データ企業のLukka(ルッカ)、収益データをブロックチェーン分析企業のArtemis(アルテミス)が提供しています。
世界初のオンチェーン債券指標
ETF化なら18銘柄に1本で分散投資が可能に
パンテラはレターで、新指数を活用したETFなどの金融商品の組成に向け、資産運用会社との協議を進めていることも明らかにしました。
米国では仮想通貨関連ETFの裾野が広がっており、新指数の上位5銘柄に含まれるHYPEでは、現物ETF「BHYP」が取引開始から約90分で1,200万ドル(約19億円)の出来高を記録したと報じられました。
指数連動商品が実現すれば、収益基準で選ばれた18銘柄へ1本の商品を通じて分散投資できるようになるため、今後の協議の進展や商品化の行方が注目されます。
※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=163.11 円)
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Source:S&P Dow Jones Indices
サムネイル:AIによる生成画像




























