この記事の要点
- SEC・CFTC、法案不成立でも既存権限で規制推進を表明
- 上院はCLARITY法案の審議入りを49対50で否決
SEC・CFTC「法律待たず規制進める」
米SEC(証券取引委員会)のポール・アトキンス委員長とCFTC(商品先物取引委員会)のマイケル・セリグ委員長は2026年9月16日、仮想通貨(暗号資産)市場について、包括的な法律の成立を待たずに既存の法的権限で規制を進める方針を相次いで示しました。
前日の9月15日には、米上院でCLARITY(クラリティ)法案の審議入りに向けた手続きが否決されており、両規制当局は議会での法整備が停滞するなかでも、それぞれの既存権限に基づいて規則づくりを進める姿勢を明確にしています。
アトキンス委員長は、法律が成立するかどうかにかかわらずSECの法定権限の範囲内で断固として行動すると表明し、米国の投資家や技術革新を担う事業者に規制上の確実性をもたらす考えを強調しました。
My thanks go to everyone who put so much effort into the CLARITY Act— across the Administration, Congress, investors, and innovators. Our collective conviction that America must continue to lead is indispensable.
— Paul Atkins (@SECPaulSAtkins) September 16, 2026
I have been unequivocal: with or without legislation, we will act…
CLARITY法案の実現に向けて尽力してくださった、政権、議会、投資家、イノベーターの皆さまに感謝します。米国がこれからも世界をリードしていくべきだという、私たちの揺るぎない信念が何より重要です。
私はこれまでも明確に申し上げてきました。法案が成立するかどうかにかかわらず、米国の投資家に明確なルールを示し、次世代の技術を生み出す起業家たちを支えるため、SECの権限の範囲内で、必要な措置を迅速かつ断固として講じていきます。
今後の動きにもご注目ください。
セリグ委員長も上院での投票結果を残念だとしたうえで、米国民には規制の明確さや法的な確実性、消費者保護が必要だと述べ、CFTCの既存権限を使って規則整備を進める準備ができていると明らかにしました。
仮想通貨の二重規制に終止符
法案審議停滞のなか、SEC・CFTCが独自に規則整備
上院採決49対50、60票に届かず
クラリティ法案は、デジタル資産をめぐるSECとCFTCの監督範囲などを整理し、米国の仮想通貨市場に包括的な規制枠組みを設けることを目的としています。
2025年7月17日には米下院を294対134の超党派の賛成多数で可決し、その後は上院に送られました。
上院は2026年9月15日、審議入りに向けたクローチャー動議の採決を49対50で否決し、クローチャー成立に必要な60票を11票下回る結果となりました。
同採決では投票した民主党議員が全員反対したほか、共和党からも4人が反対票を投じています。
今回否決されたのは法案そのものではなく審議入りに向けた手続きで、CLARITY法案は上院で引き続き審議の対象となっています。
SEC、仮想通貨の資金調達ルール整備へ
議会で市場構造法案の審議が停滞する一方、SECは既存の証券法に基づく仮想通貨のルール整備をすでに進めています。
SECは2026年8月、一定の仮想通貨関連投資契約を対象とした新規則案「レギュレーション・クリプト・アセッツ」を公表しました。
同案には証券登録に関する2種類の免除制度や条件付きセーフハーバーなどが盛り込まれており、仮想通貨を使った資金調達に関する新たなルールが示されています。
SECは同案について10月20日まで意見を募集しており、寄せられた意見を踏まえて規則案の検討を進める予定となっています。
CFTCも独自に仮想通貨取引ルール化
CFTCでも、議会による新たな市場構造法の成立を待たず、既存の法的権限を使った仮想通貨市場への取り組みが進んでいます。
同委員会は2025年12月、CFTCに登録された先物取引所で現物仮想通貨商品を取引できる枠組みを導入しました。
両機関は2026年3月にも、仮想通貨への連邦証券法・商品取引法の適用範囲を整理した共同見解を公表しており、規制上の役割分担の下地をすでに示しています。
法的グレーゾーンに統一基準
当局主導の規制整備が先行、法案再審議の行方にも関心
クラリティ法案の審議入りに向けた手続きが止まるなか、米国の仮想通貨規制は当面、SECとCFTCがそれぞれの既存権限を使って規則整備を進める形となっています。
アトキンス委員長は2026年8月、将来にわたって安定した規制環境を築くには議会による市場構造法制が不可欠との考えを示し、CLARITY法案の成立を引き続き支援する方針を表明しました。
上院では9月15日の採決後、トム・ティリス上院議員がクローチャー動議の再審議を求める手続きを取っており、CLARITY法案をめぐる議会での動きが続いています。
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Source:ポール・アトキンスSEC委員長X投稿 / マイケル・セリグCFTC委員長X投稿
サムネイル:AIによる生成画像
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