森林の保全状況にブロックチェーンを活用|重要データを管理して環境保護へ

by BITTIMES

ブロックチェーン技術は地球環境や森林を保護するための仕組みにも取り入れられています。日本国内の点在する森林の『二酸化炭素吸収量』や『生態系の保全状況』などを明確化するための「フォレストック認定制度」を運営・管理している株式会社フォレストックは、それらの重要なデータを安全に保管し信頼性を高めるためにBlockchainを活用しています。

こちらから読む:環境保全も「ブロックチェーン」データ管理|7分で理解できる事例まとめ

フォレストック認定制度とは

Forest

『フォレストック認定制度』とは、日本国内の森林(FSC/SGECの森林認証又は、森林経営計画認定森林)を対象に行われる認定制度です。

この制度は、『二酸化炭素(CO2)の吸収量』や『生態系の保全レベル』が一定以上である"優良な森林"を適切に認定することなどを目的としています。

CO2クレジット

適切かつ持続的に森林の管理が行われている上で、多様な生態系の保全も行われていると認定された森林には、その森林が備えている"CO2の吸収量"を表す『CO2クレジット』が発行されます。

『クレジット』とは、以前からニュースなどでも多く取り上げられている『温室効果ガス』の削減に取り組んでいるプロジェクトにおいて、『削減』または『吸収』された温室効果ガスの量を総称する言葉です。つまり、今回の『CO2クレジット』の場合は、森林が大気中から吸収する二酸化炭素の量を表します。

『CO2クレジット』に記録されるデータは、ブロックチェーン上で管理されているため、
・クレジットの発行
・認証・管理
・情報の記録・保管
などのような、全体のプロセスをより安全で便利なものにすることができ、それらの情報の信頼性を確保することができます。

認定時の審査内容

フォレストック制度で認定を受けるためには、以下の3つの審査をクリアする必要があります。

  • 継続的な森林の管理、運営ができていること
  • 生態系の多様性が守られていること
  • 森林の成長のために間引された間伐材が化石燃料の代わりに活用されていること

認定を受けることで得られる権利

認定審査を通過し『CO2クレジット』を取得することができた場合は、『CO2クレジット』の吸収量1トンあたりにつき、年間1,000円で販売することができる権利も与えられることになります。

また『C02クレジット』は、温室効果ガスの削減に向けた努力を行なった上で、削減することが困難であった部分のガス排出量を、その他の場所で削減された温室効果ガスの削減・吸収量で埋め合わせを行なうことができる『カーボン・オフセット』に利用することもできます。

クレジットの購入で集まった資金は、その認定を受けた森林での、
・植栽や間伐
・林業機械の購入
・林道の整備
などに活用されます。

森林保護の必要性と効果

Environmental-protection

地球温暖化への新しい枠組みとして、2015年にはパリ協定が締結されました。この協定には196カ国が加盟しており、国際的な地球温暖化対策が進められています。

日本はこの協定で『2030年までにCO2などの温室効果ガスを26%(2013年度比)削減する』ことを目標として設定しており、そのうち2.0%を森林吸収源で確保することを目指して様々な取り組みを行っています。

『森林の保護』は世界的にも重要な課題の一つであり、地球上での快適な生活を長期的に継続するためにも特に重要なものの一つでもあります。『森林保護による地球温暖化の防止』という言葉は様々な場面で語られているため、多くの人が認知していますが、森林環境を保護することができれば、次のような効果をもたらすこともできます。

気候変動の暖和

森林を適切に管理し植林などを行うことによって、炭素の吸収源が増大し、気候変動を緩和することができます。

炭素の排出を防止

森林の減少や劣化による、炭素の排出を防止することができます。

省エネ効果

金属製の産業資材などが利用されている分野を、木材製の資材で代替することによって、省エネ効果が期待できます。

森林のバイオマス資源の利用

化石燃料の代替として、森林のバイオマス資源を利用することができます。

森林の吸収源保全に対して与党は、「森林の整備や木材の活用を推進することは、地球温暖化の防止だけでなく、"国土の保全"や"快適な生活環境の創出"など、その効果は広く、国民一人一人が恩恵を受けるものである」と述べています。

ICOを通じてより多くのサポーターに

ico

フォレストックは森林保護の活動に協力する個人のサポーターなども増やし、貴重な資源である森林の整備や保全などの活動をさらに拡大するためにイニシャル・コイン・オファリング(ICO)なども行っています。

これまでに「フォレストック認定制度」を通して森林の保護を支援してきたサポーターは企業や団体がほとんどであったとのことで、環境保護を支援したいを考えている個人がいるにも関わらず、直接的に支援する方法がわかりづらいことなどの影響から、実際に支援プログラムに参加する個人は少なかったようです。

同社はこのような障壁を取り除くためにICOを利用しており、より多くの人々が簡単な方法で森林の保護や環境保護に協力することができる環境づくりに取り組んでいます。

同社は今後の具体的な計画として、認定森林に対するクレジットの購入代金だけでなく、森林保護の実施をマイニング(採掘)として扱い仮想通貨を付与する仕組みや、クレジットを購入した企業の顧客や消費者が参加することもできるプロジェクトなども検討しています。日本の大きな魅力の一つでもある『美しい森林』の保護に取り組んでいる「フォレストック」は、日本の自然環境を守るために最前線での挑戦を続けています。

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