スイス州立銀行が仮想通貨4銘柄の取引開始|銀行アプリで直接売買

スイス州立銀行が仮想通貨4銘柄の取引開始|銀行アプリで直接売買

この記事の要点

  • スイス州立銀行BancaStatoがSygnum基盤で仮想通貨取引を開始
  • BTC・ETH・LTC・SOLの4銘柄を既存アプリから直接売買可能に
目次

スイス州立銀行が仮想通貨取引を開始

デジタル資産銀行グループのSygnum(シグナム)は2026年7月23日、スイスの州立銀行BancaStato(バンカスタート)が、同社の銀行向け基盤を活用した仮想通貨取引サービスを開始したと発表しました。

これにより、BancaStatoの顧客は既存のウェブバンキングやモバイルアプリから、ビットコイン(BTC)イーサリアム(ETH)ソラナ(SOL)ライトコイン(LTC)の4銘柄を直接売買・保有できるようになります。

発表によれば、今回の統合ではSygnumのAPIをAvaloq(アバロック)のコアバンキング基盤に接続しており、同社のSaaS(クラウド提供型)環境で仮想通貨売買を実現した初の銀行事例となります。

従来の銀行が仮想通貨(暗号資産)取引を導入する際には別建てのオーダー管理システム(OMS)が必要でしたが、今回はOMSを不要にすることで運用コストと複雑さを抑えたとしています。

SygnumのB2B基盤が銀行の仮想通貨参入を支援

既存の銀行アプリから直接売買可能に

BancaStatoの顧客は、数量指定または米ドル建ての金額指定によるマーケットオーダー(成行注文)を、普段使いのウェブバンキングやモバイルアプリからそのまま発注できるようになります。

発注された注文はSygnumのB2B APIを通じて執行され、Avaloqの既存インフラをそのまま活用する形で銀行のシステム内で完結すると、Sygnumは説明しています。

購入されたデジタル資産は、ハードウェア・ソフトウェア両面の管理体制を備えたSygnumの機関投資家向けマルチレイヤー・カストディ(多層型の資産保管)に移され、管理されます。

同カストディには厳格なガバナンス(統治)プロセスと独立した外部監査も組み込まれており、すべての顧客資産は規制・法的要件に沿ったオフバランスシート(簿外)で保有されるとしています。

この簿外保有によって顧客資産はSygnumの資産と切り離されるため、万が一の破綻時にも顧客の保有分が守られる追加的な保護として機能すると、同社は説明しています。

幹部が語る「伝統資産×デジタル資産」統合の意義

今回の統合について、Sygnumで法人向け事業を統括するフリッツ・ヨスト最高B2B責任者は、急成長するB2Bネットワークへの参加が相次ぐ背景にAPI主導のデジタル資産サービスへの需要があると述べました。

そのうえで同氏は「AvaloqのSaaS環境でSygnum APIを通じた仮想通貨の売買・保有を実現した初の銀行となったことは、重要な一歩だ」と評価しています。

BancaStatoで製品・サービス部門を率い執行役員会副会長を務めるクルツィオ・デ・ゴッターディ氏も、Sygnumとの戦略的な連携を歓迎する意向を示しました。

同氏は「伝統的資産と投資ソリューション、そしてデジタル資産のシームレス(切れ目のない)な統合が、当グループの将来を見据えた提供体制をさらに強化する」と述べています。

両社をつないだAvaloqのスイス・リヒテンシュタイン担当マネージングディレクター、クリスティアン・ハウクス氏も、顧客がデジタル資産と伝統的資産を1か所で管理できるようになる点を成果として挙げました。

参加25行超、スイス人口の3分の1をカバー

ヨスト氏が言及した急成長するB2Bネットワークには、Zuger Kantonalbank(ツーガー・カントナルバンク)やPostFinance(ポストファイナンス)など、すでに25行超の銀行・金融機関が名を連ねています。

Sygnumはこの提携網を通じて、スイス人口の3分の1超が規制された環境でデジタル資産を保有・取引できる体制を築いてきました。

BancaStatoは1915年設立のティチーノ州を地盤とするフルサービス銀行で、コアバンキングシステムにはかねてAvaloqのプラットフォームを採用しています。

Sygnumはこの参加で、スイス南部のティチーノ地域における自社B2Bネットワークの厚みが一段と増すとの見方を示しました。

スイス発の仮想通貨インフラ、EU市場も視野に

スイスでは州立銀行を中心に仮想通貨サービスの導入が相次いでおり、チューリッヒ州立銀行(ZKB)も個人顧客などに向けてビットコインとイーサリアムの取引・保管サービスを開始しています。

こうしたスイス国内の広がりを足場に、SygnumはEU(欧州連合)市場への進出も傘下のSygnum Europe(シグナム・ヨーロッパ)を通じて進めています。

Sygnum Europeは2026年6月30日、リヒテンシュタイン金融市場局(FMA)から、EUの暗号資産市場規制「MiCAR(ミカール)」に基づくCASP(暗号資産サービスプロバイダー)ライセンスを取得しました。

同ライセンスを活用すれば、EU域内の銀行はデジタル資産サービスの立ち上げでSygnumの経験を取り入れられ、リスクや資本要件を抑えられると同社は説明しています。

BancaStatoの参加でスイス国内の提携網を広げたSygnumは、MiCARライセンスを足掛かりにEU域内での銀行向けサービス拡大も進めています。

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Source:Sygnum公式発表
サムネイル:Shutterstockのライセンス許諾により使用

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BITTIMES 編集長のアバター BITTIMES 編集長 仮想通貨ライター

仮想通貨ニュースメディア「BITTIMES(ビットタイムズ)」編集長。2016年にBITTIMESを創業し、暗号資産・ブロックチェーン・Web3領域の取材・執筆を10年近く継続。ビットコイン・イーサリアムをはじめとする主要銘柄の動向から、国内外の規制・税制・DeFi・NFTまで幅広くカバー。

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