NEM(ネム)ブロックチェーンを活用して「学位証明」を合理化|学歴詐称防止へ
マレーシアの教育省は2018年11月9日、ブロックチェーン(Blockchain)を活用した大学学位の発行と検証を行う「e-Scroll」と呼ばれるシステムを開始し、それらの技術の研究開発を推進する大学コンソーシアムを立ち上げました。このシステムにはネム(NEM/XEM)の技術が使用されています。
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マレーシアの「学歴詐称」問題
マレーシアでは、以前から大学の卒業証書や学歴書の偽装行為が陰で行われていたことが報告されています。これらの偽装された卒業証書は国際的に利用することができるため、これまでにも数千人の人々がこれらの「偽証書」を購入しており、偽造された学位証明書の購入に使用されたお金の合計金額は数億円にものぼると報告されています。
偽造されている学位証明書の内容は様々であり、医者、コンサルタント、看護師といった、人々が日常生活を送る上で頻繁に関わりを持っている数多くの職業が含まれているとのことで、偽造された証書が出回ることによって、実際には必要な知識や資格を持っていない悪質な詐欺師が世の中に出回ることになるため重要な問題となっていました。
学位証明を「数秒」に短縮
マレーシアの情報通信技術問題に関連する知識、アイデア、経験を共有するためのプラットフォームを提供している「Majlis Dekan-dekan ICT(MADICT)」と省庁はこのような問題を解決するためにブロックチェーン技術を使用することを提案し、ブロックチェーン技術に基づいた学位証明書の発行・検証システムである「e-Scroll」と呼ばれるシステムの運用を開始しました。
この取り組みは、マレーシアの大学の評判と誠実さを守り、真面目に勉学に励む学生の努力をきちんと証明できる環境を整え、不当に利益を得ようとする詐欺行為を防止するためのものだと説明されています。
現在マレーシアの大学には、卒業生の学歴が本物であるかどうかを確認するために世界中から何千にも昇る確認が寄せられていると伝えられています。これらの確認作業は依然として電話や電子メールで行われているため、非効率的なものでもありました。
このシステムをブロックチェーン技術に置き換えることによって、外部からの確認作業を数秒で終わらせることができるようになり、学歴の偽装行為などにも対処することができるようになります。このプロジェクトの関係者は、『今回のシステムにはその他のブロックチェーン技術を使用することもできたが、トレーサビリティと認証要件の管理に独自の機能があるため"NEM"のブロックチェーンを使用することになった』と説明しています。
Blockchain技術の「大学コンソーシアム」設立
教育省は、大学生や学者の間でブロックチェーン技術などの研究開発や技能訓練を普及させることなどを目的として、
・UUM(Universiti Utara Malaysia)
・IIUM(International Islamic University Malaysia)
・UTM(Universiti Teknologi Malaysia)
・UMS(Universiti Sains Malaysia)
・UTM(Universiti Sains Malaysia)
・Terengganu(UMT)
・Teknologi Mara(UiTM)
などの大学が参加するコンソーシアムを立ち上げています。プロジェクトに関わりのある関係者は、現時点で実装されているブロックチェーンベースのシステムは、インターネットに接続できる環境であれば、世界中のどこからでも学位の確認を行うことができると説明しています。
大学コンソーシアムでブロックチェーン技術のさらなる研究開発が進められれば、NEMの技術はマレーシアでより多くのことに活用されていくことになるでしょう。
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ネム(NEM/XEM)の価格|2018年11月10日
ネム(NEM/XEM)は過去2ヶ月間に渡って9円〜13円の間で安定して取引されており、2018年11月10日時点では「1XEM=10.49円」で取引されています。