ブロックチェーン技術で「行政の透明性」を強化|提案評価システムに適用:韓国
韓国の首都ソウルの南西部にある永登浦区(Yeongdeungpo-gu)は、行政の透明性と信頼性を強化するために提案内容の評価システムにブロックチェーン技術を適用したことを発表しました。技術発展を積極的に支援している同国は、税額控除の対象分野に「Blockchain」を新たに追加したことも発表しています。
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評価業務の「透明性・信頼性」を強化
韓国の首都ソウルにある永登浦区は、行政に関する提案を評価するシステムにブロックチェーン技術を適用したことを2019年1月16日に発表しました。ブロックチェーン技術を「提案の評価」に適用したのは永登浦区が初めてであるとされています。
韓国メディアである「Newsis」によると、ブロックチェーン技術を用いた提案評価システムを各種公共事業の入札事業者を選定する手続きに組み合わせることよって、評価業務の透明性・信頼性を強化することができると説明されています。
「ブロックチェーン技術を活用した提案評価システム」のコンセプトは昨年7月時点ですでに発表されており、当時の発表ではブロックチェーン技術を採用することによって、リアルタイムに結果を開示できる他、交渉結果を公表するなどといった、従来の評価プロセスを改善することを目的としているとの説明が行われていました。今回の発表はこれらのシステムの実験が成功したことを示しています。
この評価システムは、段階的に適用範囲を拡大していくことが予定されており、2019年内には地区内のすべての提案評価プロジェクトで使用され、将来的には部門全体や他の自治体にも拡大する予定だとされています。
税額控除対象にブロックチェーンを追加|韓国政府
韓国政府は先日、税額控除の対象となる研究開発の分野にブロックチェーンを含む16の領域を新たに追加したことを発表しました。税法改正は2019年2月に施工予定と報じられており、具体的な内容としては、対象となる技術の研究開発費用から、
・小規模企業は30~40%
・大・中規模企業は20~30%
の控除が適用されると伝えられています。
この決定は、急速な成長を遂げている「ブロックチェーン技術」を扱う企業の税金負担を減らすことによって、業界全体の成長を促進することを目的としています。
韓国は以前からブロックチェーン技術や仮想通貨を積極的に受け入れる姿勢を見せており、韓国政府が関わるプロジェクトも複数発表されています。
税金面での優遇措置もとりつつ国を挙げてブロックチェーン技術の発展に取り組んでいる韓国は、今後もこれらの分野で急速な成長を遂げていくことが予想されます。