大麻ビジネス「納税問題」を仮想通貨で解決|カリフォルニア州議会議員が法案を提出
アメリカ・カリフォルニア州議会議員であるPhil Ting(フィル・ティン)氏は、大麻関連の事業にかかる税金の支払い方法として米ドル(USD)と価値が連動する安定仮想通貨(ステーブルコイン)を選択することができる法案を発表しました。
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納税時の「資金移動」をより安全に
カリフォルニア州で発表されたこの法案では、管轄内の仮想通貨を使用して税金の支払いを処理することによって、納税を行う際に必要となっていた「巨額の資金移動」などをより安全に行うことができるようになると説明されています。
この新しい法案が正式に採用された場合、大麻関連の事業を行う企業や経営者は「その管轄で管理されているステーブルコインのウォレットに直接ステーブルコインを入金するか」「支払われたステーブルコインを即座に変換することができるサードパーティ製のデジタル資産決済プロセッサを使用するか」を選択することができると説明されており、正式に法案が承認されれば、2020年までに適用されるとも報じられています。
米国では、カリフォルニア州だけでなく、アラスカ州、コロラド州、バーモント州、マサチューセッツ州、ワシントン州を始めとする複数の州で合法化されていますが、銀行からの対応が厳しいことなどから複数の問題が残っており、金融サービスとの連携に関しても多くの課題が残されています。
現地の報道では、アメリカで大麻関連ビジネスを行なっているほとんどのケースでは"現金だけ"で取引することが強いられているため、事業者の多くは現金が「大量に入ったスーツケース」を持って税務署を訪れていると伝えられています。このスーツケースを狙う犯罪者などもいることから「現在の制度では現金の輸送に危険が伴う」との指摘も出ており、資金を移動する際のコストも問題となっていました。
今回の法案が可決され「ステーブルコイン」での支払いが許可されることによって、大量の現金を持ち運ぶ必要がなくなり、取引をより合理的に管理することが可能になります。
大麻産業と仮想通貨
大麻(マリファナ)の合法化が世界的に進んでいることに伴い、最近では大麻関連のビジネスや取引に仮想通貨やブロックチェーン技術を取り入れる動きも数多く見られ始めており、大麻のサプライチェーンを管理し、取引を正確に記録するための「大麻に特化した仮想通貨」なども複数発行されています。
また、eToroのシニアマーケットアナリストであるMati Greenspan(マティ・グリーンスパン)氏は、昨年10月にカナダで大麻が合法化されたことによって、同国で「匿名仮想通貨」の使用量が増加することはほぼ間違いないとも語っています。
数年前までは多くの地域で"違法"とされていた大麻が一般的に普及し始めている現代社会で、取引に透明性をもたらす仮想通貨がどのように活用されていくのかにも注目です。