中東レバノン、法定通貨暴落で「ビットコイン需要」増加|中央銀行への放火報道も
法定通貨の価格下落が止まらない中東・レバノンでビットコイン(Bitcoin/BTC)などの暗号資産(仮想通貨)を購入する動きが強まっていると報告されています。反政府デモが続いているレバノンでは「中央銀行のオフィスに火炎瓶を投げつける」などといったデモ行為も行われているとされています。
法定通貨の価格下落で「暗号資産へ資金移動」の動き
レバノンの法定通貨である「レバノン・ポンド(LBP)」の価格は2020年6月13日時点で「1LBP=0.00066ドル(約0.071円)」となっており、2019年10月以降で約70%下落しています。世界銀行の予想では、2020年のレバノンの貧困率はほぼ50%に達する見通しだとされています。
法定通貨の価格下落とともに「食料品価格の高騰」や「大量解雇・事業閉鎖」などの問題に直面しているレバノンでは、先日11日頃から複数の大都市で"反政府デモ"が激化しており、軍の部隊に石を投げつけたり、首相府前の防護柵をよじ登ろうとしたり、中央銀行のオフィスに火炎瓶を投げつけるなどのデモ行為が続いていると報告されています。
法定通貨の価値が下落している国では、米ドル(USD)などの外貨を購入して資産を保護する動きが見られますが、レバノン中央銀行は「外貨の購入制限」を課しているため、レバノンの人々はビットコイン(BTC)などの暗号資産を購入し始めていると伝えられています。
レバノンの中央銀行は「クレジットカードでのBTC購入」などにも制限をかけているため、一部の人々は取引所などを介さずに当事者間で直接取引を行うことができる"OTC市場"を通じて暗号資産を取引しているとのことです。
ビットコインなどの暗号資産は個人でも気軽に購入することができるため、深刻なインフレ問題に直面しているベネズエラやアルゼンチンなどの地域でもBTC買いの動きが強まっていることが報告されています。