MetaMask(メタマスク)やCoinbase Wallet(コインベースウォレット)などといったブラウザ拡張機能として利用されている仮想通貨ウォレットを標的とした『Mars Stealer』と呼ばれる新しいマルウェアが発見されたことが明らかになりました。このウォレットは多くの人々に利用されている様々なブラウザ・ウォレット・拡張機能などを標的にしていると報告されているため、仮想通貨保有者は十分注意する必要があります。
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仮想通貨などを盗み出す「Mars Stealer」に要注意
MetaMask(メタマスク)やCoinbase Wallet(コインベースウォレット)などといったブラウザ拡張機能として利用されている仮想通貨ウォレットを標的とした『Mars Stealer』と呼ばれる新しいマルウェアが発見されたことが明らかになりました。
セキュリティ研究者である「3xp0rt」の報告によると、このマルウェアは2019年に登場した「Oski」と呼ばれるマルウェアを協力にアップグレードしたトロイの木馬型のマルウェアであるとのことで、ブラウザ拡張機能タイプの仮想通貨ウォレットを攻撃することによって、ウォレットに保管されている暗号資産を盗み出すことができるように設計されていると報告されています。
Mars Stealerは「一般的なWEBブラウザ・2段階認証プラグイン・複数の暗号資産拡張機能・ウォレット」からデータを盗み出すとのことで、「プロセッサモデル・コンピュータ名・マシンID・GUID・インストールされているソフトウェアとそのバージョン・ユーザー名・ドメインコンピュータ名に関する貴重な情報」を抽出することもできるように設計されているとされています。
標的となるブラウザ・ウォレット・拡張機能
標的となるブラウザ・ウォレット・拡張機能の例としては以下のような様々なサービスが挙げられているため、これらの製品を利用している場合には注意が必要です。
【ブラウザ】
Internet Explorer, Microsoft Edge (Chromium Version), Kometa, Amigo, Torch, Orbitium, Comodo Dragon, Nichrome, Maxxthon5, Maxxthon6, Sputnik Browser, Epic Privacy Browser, Vivaldi, CocCoc, Uran Browser, QIP Surf, Cent Browser, Elements Browser, TorBro Browser, CryptoTab Browser, Brave, Opera Stable, Opera GX, Opera Neon, Firefox, SlimBrowser, PaleMoon, Waterfox, CyberFox, BlackHawk, IceCat, K-Meleon, Thunderbird.
【暗号資産関連の拡張機能】
TronLink, MetaMask, Binance Chain Wallet, Yoroi, Nifty Wallet, Math Wallet, Coinbase Wallet, Guarda, EQUAL Wallet, Jaox Liberty, BitAppWllet, iWallet, Wombat, MEW CX, Guild Wallet, Saturn Wallet, Ronin Wallet, Neoline, Clover Wallet, Liquality Wallet, Terra Station, Keplr, Sollet, Auro Wallet, Polymesh Wallet, ICONex, Nabox Wallet, KHC, Temple, TezBox Cyano Wallet, Byone, OneKey, Leaf Wallet, DAppPlay, BitClip, Steem Keychain, Nash Extension, Hycon Lite Client, ZilPay, Coin98 Wallet.
【2段階認証プラグイン】
Authenticator, Authy, EOS Authenticator, GAuth Authenticator, Trezor Password Manager.
【仮想通貨ウォレット】
Bitcoin Core and all derivatives (Dogecoin, Zcash, DashCore, LiteCoin, etc), Ethereum, Electrum, Electrum LTC, Exodus, Electron Cash, MultiDoge, JAXX, Atomic, Binance, Coinomi.
マルウェアの感染経路について
Mars Stealerは「ファイルホスティングサイト・トレントクライアント・疑わしいWEBサイト」などといった様々な経路を介して拡散することによってウォレットの拡張機能に侵入するとされており、『暗号資産ウォレットの拡張機能に侵入して暗号資産を盗み出した後は、目に見える盗難の痕跡を削除した後にシステムから離脱する』とも報告されています。
また、このマルウェアの興味深い点の1つとしては「マルウェアが最初にデバイスの言語を確認してユーザーの出身国を確認し、ユーザーが独立国家共同体に属しているかどうかをチェックすること」が挙げられており、標的となるユーザーが「ロシア・カザフスタン・ベラルーシ・アゼルバイジャン・ウズベキスタン」などの国に属していた場合は、悪意のある行動を行うことなくシステムから離脱するとも報告されています。
「Mars Stealer」はダークウェブフォーラムで140ドル(約16,000円)で販売されているとも報告されているため、対象となるブラウザ・拡張機能・ウォレットなどを利用している方は、怪しいリンクをクリックしたり、疑わしいファイルをダウンロードしたりすることがないよう、十分注意する必要があります。