利益の最大15%をビットコインに投資
米ドル連動ステーブルコイン「USDT」を発行しているTether(テザー)は2023年5月17日に、準備金ポートフォリオのさらなる強化を目的として、今月から純実現営業利益の最大15%を定期的なビットコイン購入に割り当てていくと発表しました。
ビットコイン(BTC)の購入には価格上昇による含み益は使用せず、投資戦略の実現利益だけが使用されるとのことで、この投資戦略を採用することによって”準備金の強化や多様化につながる”と期待されています。
Tetherは今月10日の発表で「2023年3月末時点で約15億ドル相当のBTCと約34億ドル相当のゴールドを準備資産として保有している」ということを明かしており、金とビットコインの割合は総準備金の中の約4%と約2%であるとも説明されていました。
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BTCの秘密鍵はすべて自社管理
今回の発表では「Tetherは”秘密鍵を持たなければ、コインを所有したことにはならない”という哲学を信じて、自社でビットコインの秘密鍵を保有している」ということも説明されています。
多くの機関投資家の間ではビットコインを第三者が保管するのが一般的ですが、Tether社は「Not your keys, not your bitcoin」という哲学を信じて、保有する全てのビットコインに関連する秘密鍵を所有しています。
また、ビットコインの購入戦略については「準備資産の強化・増加・多様化を目的とした保守的かつ慎重な投資決定の一環である」とも説明されており、「このアプローチを採用することによって、透明性を高め、企業のパフォーマンスや資金配分戦略をより明確に示すことを目指している」とも説明されています。
Tether社のCTOであるPaolo Ardoino氏は、公式発表の中で次のように述べています。
世界初で最大の仮想通貨であるビットコインに投資するという決断は、投資資産としての強さと可能性を考慮した上で決定されています。
ビットコインはその強さを継続的に証明し続けており、成長の可能性が大きい価値の保存手段として利用されています。供給量に上限があり、分散化されていて、広範囲で採用されているビットコインは、機関投資家と個人投資家の両方に好まれています。
ビットコインへの投資は、当社のポートフォリオのパフォーマンスを向上させるだけでなく、私たちのビジネスや生活のあり方を変える可能性を秘めた革新的なテクノロジーと連携する方法でもあります。
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