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Binance US「米SECに反論する裁判書類」を提出|暗号資産の証券判断にもコメント

Binance US、米SECの主張に反論

米国証券取引委員会(SEC)から提訴されていた暗号資産取引所「Binance US」は2023年6月12日に、米SECの申し立てに反論する書類を裁判所に提出しました。

BAMの顧客資産にはリスクがないと強調

米SECは今月6日に「Binance US」の運営会社である「BAM」関連の資産凍結を求める緊急要請を裁判所に提出していましたが、今回提出された書類の冒頭では『SECの資産凍結要請は複数の理由から拒否されるべきだが、最も重要なのは”BAMの顧客資産にはリスクがない”という点だ』と強調されています。

米SECの提訴時期についての疑問

Binance側は『米SECが主張している緊急事態などは実際には全く存在しない』と主張しており、SECが『Binance.USは2019年から、Binance.comは2017年から不法運営されてきた』と主張していることに対して『それならばなぜSECは取引所が現在の規模に拡大するまで措置を講じなかったのか?』と疑問を呈しています。

また『なぜ突然の緊急事態がSECが仮想通貨業界全体に対して攻撃した時期と重なるのか?』とも指摘されており、『SECの訴状や資産凍結命令に関する説明には”なぜ今なのか”という根本的な疑問に対する答えが記されていない』とも説明されています。

BHL・CZ氏の資産凍結要請は却下されるべき

今回提出された書類では「Binance Holdings(BHL)チャンポン・ジャオ氏(趙氏)に関する資産凍結要請は却下されるべき」と主張されており、要請が却下されるべき理由として複数の理由が挙げられています。

Binance側は『SECが要求する救済措置は不当かつ不適切である』と主張しており、『特別な救済措置には特別な証拠が必要となるが、SECが指摘できるのは”SECは十分な安心感を得ていない”や”SECは懸念している”などといった根拠のない主観的心配だけである』と指摘しています。

米SECの措置の危険性なども指摘

さらにバイナンスは『米SECの行動はパニック売りや仮想通貨市場の不安定化を招く危険性がある』とも指摘しており、『SECが求める資産の説明に関する要求は過度で負担が大きすぎる。SECはBHLや趙氏から証拠開示を得る必要性を示していない。SECが必要とする関連の証拠はBAMが保有している』などの説明も行われています。

暗号資産の証券判断について

また、暗号資産を証券とみなすSECの見解については『どのような暗号資産が証券とみなされるかの基準について答えてない以上、SECに登録を要求する権限はない』とも主張されています。

Binance側は今回提出された書類で「資産凍結要請は全面的に却下されるべきである」と述べていますが、それと同時に「SECが要求する救済の一部を裁判所が認める場合は、共同で現実的な解決策を提案する」とも説明しています。

なお、米SECに対しては批判の声も強まってきており、今月12日には米共和党のウォーレン・デビッドソン議員が「米SECを再編して、ゲイリー・ゲンスラー委員長を解任することを目的とした”SEC安定化法案”を提出したこと」を発表しています。

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