「個別銘柄ごとのレバレッジ算出」を提案
日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)は2023年10月17日に「暗号資産証拠金取引のレバレッジ倍率改正」に向けた要望を日本暗号資産取引業協会(JVCEA)に提出したことを発表しました。
今回提出された要望書はJCBAが中心となって作成したものであり、提出された提言内容はJVCEA内や関係各所で検討されることになると説明されています。
日本で個人投資家が利用できる暗号資産証拠金取引のレバレッジ倍率は、元々はFX取引と同様に「25倍まで」に設定されていましたが、2020年5月施行の改正金商法によって「2倍まで」に制限されたため、現在日本で提供されている暗号資産証拠金取引のレバレッジは「一律2倍」となっています。
今回の要望はこのレバレッジ倍率を改正することを求めるものであり、法人に適用されているのと同じように「個別銘柄ごとに過去のボラティリティに基づいてレバレッジを算出する」という方法を採用することが提案されています。
また、JVCEAは現状6銘柄で算出を行っていますが、これについても「算出対象銘柄を拡大する」ということが記載されています。
JCBAはレバレッジ倍率改正を提案した理由として以下の4点を挙げて説明を行っており、日本でWeb3戦略を推進していくにあたってデリバリティブ市場の整備が必要であると指摘しています。
- 諸外国で新たな暗号資産関連法案・規制の策定がなされ、新たな金融商品が台頭してきている状況
- 日本において暗号資産現物は世界で初めて法制化された一方、デリバティブ市場の中心となるレバレッジ取引のレバレッジ倍率が過度に規制されている状況
- 暗号資産をアセットクラスとして認識するにあたっては①現物市場 ②デリバティブ市場 ③貸借市場の整備が必要
- 今後日本が国家戦略としてWeb3を推進していくにあたり、その基礎となる暗号資産をアセットクラスとして認識すべき状況であり、①現物市場の整備に次いで、②デリバティブ市場の整備が必要
この提案が採用された場合には、日本の暗号資産取引所で利用可能な暗号資産証拠金取引のレバレッジ倍率が引き上げられる可能性があるため、今後の続報にも注目です。
(JCBA発表)