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暗号資産業界横断ステーブルコイン「XJPY・XUSD」の共同検討開始:三菱UFJ信託銀行など

XJPY・XUSDの発行に向けた共同検討開始

三菱UFJ信託銀行は2023年11月6日に、暗号資産交換業者間の資金決済効率を向上させることを目的とした暗号資産業界横断ステーブルコイン「XJPY」「XUSD」の発行に向けた共同検討を開始したことを発表しました。

この取り組みは「Ginco」と「Progmat」との協業で実施されるもので、最大手の暗号資産流動性プロバイダーである「Cumberland Global」や、暗号資産交換業者である「ビットバンク」と「メルコイン」も先行して共同検討に参画すると報告されています。

ステーブルコインの発行では、日本法に準拠したステーブルコインの発行・管理基盤である「Progmat Coin」が活用されるとのことで、XJPYとXUSDは暗号資産業界におけるクロスボーダー取引の決済効率向上を目指した円貨建て・米ドル建てのステーブルコインだと説明されています。

交換業者間の資金決済効率向上に向けて

グローバル市場における暗号資産交換業者や流動性プロバイダー間の自己勘定取引の資金決済では「ステーブルコインでの取引」が主流であるものの、日本の事業者を含めた暗号資産市場では未だに「銀行送金での資金決済」が主流になっていると報告されています。

これらの暗号資産関連業者間の資金決済用途での銀行送金は、日本円の取引だけを見ても月間数千億円に及んでいるとのことで、今後もその規模は拡大していくことが見込まれています。

しかし、銀行送金での資金決済では、取引時間の制約や送金コストなどの課題があり、これらの課題が暗号資産市場発展の妨げになる可能性があるため、今回の共同検討が発足したとのことです。

XJPYとXUSDは24時間365日取引可能なパブリックチェーン上のステーブルコインとなっているため、現在の取引業務をXJPYとXUSDに置き換えることによって、暗号資産関連業者間取引の課題を解決し、資金決済効率向上による暗号資産市場の高度化に寄与すると説明されています。

(画像:三菱UFJ信託銀行)

ステーブルコイン「XJPY・XUSD」について

日本では2023年6月施行の改正資金決済法上におけるステーブルコインの種類として「銀行預金型・資金移動型・信託型」の3類型が想定されていますが、XJPY・XUSDは現時点で最も柔軟な設計が可能な「信託型」で発行される予定となっています。

XJPY・XUSDは2024年夏頃の発行が目標とされており、「利用者(受益者)となりえる暗号資産関連業者を特段制限するものではなく、共同検討に賛同する国内外の暗号資産関連業者からの参画申込を、デジタルアセット共創コンソーシアム(DCC)事務局で随時受け付ける」とも説明されています。

今回発表された「暗号資産業界横断ステーブルコイン」の具体的な発行スキームについては、以下のように報告されています。

【電子決済手段類型】
3号電子決済手段(特定信託受益権)

【発行依頼者(委託者)】
Ginco

【発行者(受託者)】
三菱UFJ信託銀行

【プラットフォーム】
Progmat Coin

【利用者(受益者)】
暗号資産関連業者(自己勘定)

【裏付資産(預金)運用先】
任意の金融機関

【裏付通貨種類】
円貨建てステーブルコイン、及び米ドル建てステーブルコイン

【ステーブルコイン名称】
「XJPY(円建て)」及び「XUSD(米ドル建て)」

(画像:三菱UFJ信託銀行)

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