BINANCE「米規制当局との和解・新CEOの就任」を発表|CZ氏は退任
「米当局との和解・新CEOの就任」を発表
暗号資産取引所BINANCE(バイナンス)は2023年11月21日に「米規制当局との間で和解に達したこと」や「チャンポン・ジャオ氏がBINANCEのCEOから退任すること」を発表しました。
米規制当局との和解について
BINANCEが展開しているグローバル版の暗号資産取引サービスは、以前まで米国居住者でも利用できるようになっていたため、米規制当局はBINANCEが「未登録運営・マネーロンダリング対策の不足・経済制裁ルール違反」などの罪を犯していると主張していました。
今回の発表では、BINANCEがこのような問題に関して「米司法省、米商品先物取引委員会、米国財務省外国資産管理室、金融犯罪取締ネットワーク」との間で和解に達したことが報告されており、『この和解は弊社が過去のコンプライアンス違反に対する責任を認め、学びと成長の中での困難ながらも変革的な章を終え、新しいページを開くことを可能にする』とコメントされています。
公式発表の中では『バイナンスは初期の頃からユーザー保護・セキュリティ・コンプライアンスのために多大な努力を行なってきたが、急速に成長する企業に相応しいコンプライアンス管理が足りなかった』と述べており、今回の対応でそのような過去の歴史の責任をとると説明しています。
顧客資産の不正利用・市場操作はないと強調
ただし、ユーザー保護・セキュリティ・安全性などに関しては設立当初から信念を貫いてきたことも強調されており、『米当局との決議の中では、"BINANCEがユーザー資金を不正使用した・市場操作を行なった"とは主張されていない』とも説明されています。
また、BINANCEは今後数十年間にわたってプラットフォームを運営し続けていくことに重点を置いてビジネスを展開しているとのことで、今後50年間以上にわたって運営を続けることができるとも説明されています。
なお、BINANCEに支払いが命じられた罰金の額のついては、43億ドル(約6,370億円)と報じられています。
CZ氏の退任と新CEOの就任
今回の発表では、BINANCEのCEOを務めていたチャンポン・ジャオ(CZ)氏がCEOの職を辞任し、CZ氏の後任としてリチャード・テン氏がCEOに就任することも発表されています。
リチャード・テン氏は、BINANCEの元地域市場グローバル責任者を務めていた人物であり、BINANCEに入社する前には「アブダビ・グローバル・マーケットの金融サービス規制当局CEO、シンガポール証券取引所(SGX)の最高規制責任者、シンガポール金融管理局(MAS)の法人金融ディレクター」を務めていたとも説明されています。
なお、CZ氏は引き続きBINANCEの筆頭株主であるとのことで、今後も相談役としてBINANCEチームと協力、XにはCZ氏本人からのコメントも投稿されています。
Today, I stepped down as CEO of Binance. Admittedly, it was not easy to let go emotionally. But I know it is the right thing to do. I made mistakes, and I must take responsibility. This is best for our community, for Binance, and for myself.
— CZ ? Binance (@cz_binance) November 21, 2023
Binance is no longer a baby. It is…
本日、私はBinanceのCEOを辞任しました。感情を捨てることが簡単ではなかったことは認めます。しかし、これが正しい決断であると理解しています。私は間違いを犯したので、責任を取らなければなりません。これがコミュニティ、Binance、そして私自身にとってもっとも良い選択です。
Binanceはもう赤ちゃんではありません。歩いたり走ったりする時が来ました。私はBinanceが深いベンチを持って成長し続けていくと確信しています。
嬉しいことに、元地域市場グローバル責任者のリチャード・テンが新しいCEOに就任することになりました。
リチャードは非常に有能なリーダーであり、金融サービスと規制に関する30年以上の経験を持っているので、会社を次の成長期に導くことができる期待しています。彼は、バイナンスがセキュリティ・透明性・コンプライアンス・成長という次の段階を確実に実現できるようにします。
彼はBINANCEに入社する前、アブダビ・グローバル・マーケットの金融サービス規制当局CEO、シンガポール証券取引所(SGX)の最高規制責任者、シンガポール金融管理局(MAS)の法人金融ディレクターを務めていました。
リチャードや全チームと共に、BINANCEや仮想通貨業界にとって最良の日々が待っていると確信しています。
私自身は、米国機関との合意に基づいた上で、会社の歴史的な知識を持つ株主および元CEOとして必要に応じてチームと協力し続けます。
私の次なるステップは?
まず休息をとるつもりです。過去6年半、私は本当の休息(電話を切っての)を一度も取っていません。
現時点での私の考えでは、その後おそらくいくつかの分野でパッシブ投資を行い、ブロックチェーン・Web3・DeFi・AI・バイオテクノロジー分野のスタートアップの少数トークン/株主になるだろうと考えています。DeFiに目を向ける時間が増えることを嬉しく思っています。
私は、自分が再びスタートアップを率いるCEOになるとは思えません。私は一度きりの(幸運な)起業家であることに満足しています。リスナーがいる場合は、小規模な起業家のコーチ/メンターになることを個人的に受け入れるかもしれません。 少なくとも、してはいけないことだけは伝えることができます。
その点に関しては、米国政府機関との決議の中で以下のように述べられていることを誇りに思います。
・バイナンスがユーザー資金を不正使用したとは主張されていない
・バイナンスが市場操作を行ったとは主張されていない資金は安全です!
新しいリーダーが舵を取るのを楽しみにしています。リチャードの昇進を祝福してください。
前に進もう!
CZ
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(BINANCE発表)