イーサリアム(ETH)の世界で注目を集めているレイヤー2ソリューション「Optimism(OP)」が、大きな転機を迎えようとしています。2024年8月18日、開発チームのOP Labsが9月10日に重要なアップデートを行うと発表しました。
このアップデートは「Granite」と呼ばれ、ネットワークの安全性と安定性を高めることが目的です。
実は、この動きの背景には少々複雑な事情があります。Optimismは2か月前、誰でも自由に参加できる「パーミッションレス」なシステムを導入したばかりでした。しかし、コミュニティによる監査の結果、いくつかの脆弱性が見つかってしまったのです。
OP LabsのエンジニアであるMofi氏は、「ユーザーの資産は常に安全な状態にありました」と強調しています。それでも、万が一の事態を防ぐため、一時的に以前の許可制システムに戻すという慎重な対応を取りました。
今回のアップデートでは、見つかった問題の修正だけでなく、システム全体の性能向上も図られます。特に、MIPS契約に関連するバグの修正が重要だといいます。このバグは、通常の検査過程で見落とされていたそうです。
Optimismが開発している「Fault Proof」システムは、取引の正確性を確保する上で重要な役割を果たします。このシステムのおかげで、Optimismは評価を「ステージ1」にまで引き上げることができました。これは、イーサリアムの共同創設者であるヴィタリック・ブテリン氏が定めた基準に基づくものです。
アップデート後は、再び誰でも参加できるシステムに戻る予定です。ただし、ユーザーの皆さんは注意が必要です。引き出し処理がリセットされるため、アップデート前1週間以内に行った手続きは、もう一度行う必要があるかもしれません。
Optimismの取り組みは、イーサリアムの将来に大きな影響を与える可能性があります。より速く、より安全な取引システムの実現は、仮想通貨の普及を後押しするはずです。
今回の出来事は、新しい技術を導入する際のリスクと、問題が起きたときの対応の重要性を改めて示しました。Optimismチームの素早い対応と、情報公開の姿勢は、業界内で高く評価されています。
9月のアップデートの行方に、多くの人が注目しています。このアップデートの成否が、Optimismの今後の発展を左右するでしょう。そして、それはイーサリアム全体の未来にも影響を与えるかもしれません。仮想通貨の世界は、今後どのように変わっていくのでしょうか。その鍵を握る一つが、このOptimismの挑戦なのかもしれません。
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執筆・翻訳:BITTIMES 編集部
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