10万人の参加者を対象にCBDC決済の試験運用
韓国の中央銀行である韓国銀行は、早ければ2024年12月にも、韓国内のスーパーやコンビニで決済に中央銀行デジタル通貨(CBDC)を使えるようにする試験運用を開始する見込みであることがわかりました。
現地英字紙「コリアタイムス」が2024年9月20日に報じました。
中央銀行デジタル通貨(CBDC)は中央銀行から発行されるデジタル通貨で、中央銀行が直接発行することと法定通貨建てであることが主な特徴です。
報道によると、試験運用は一般市民の中から選ばれた10万人の参加者を対象として行われます。
これにより、試験運用の参加者は、12月から韓国内の大手スーパーやコンビニエンスストアの決済でCBDCを使えるようになる見込みです。
韓国銀行は現在、韓国の6つの大手商業銀行と連携してCBDCの大規模なユーザビリティ試験を行なっています。
今回報じられたスーパー・コンビニでのCBDC決済の試験運用も、この取り組みの一環として実施される予定です。
対象のスーパー・コンビニは今後最終決定
今回の試験運用は、韓国銀行が発行するCBDCを参加する商業銀行が引き受け、消費者の預金デジタルトークンに変換して指定された小売店舗で使えるようにするという仕組みで行われます。
2024年12月に予定されている運用開始に向け、参加する6つの商業銀行は、CBDCが使える店舗を増やすために小売業者との交渉を進行中とのことです。
NH農協銀行は、傘下のスーパー「ハナロマート」でCBDCを使えるようにする予定です。他の参加銀行も大手コンビニやスーパーと交渉を続けており、参加小売店舗はさらに増えるものと見られています。
「国際的にも重要なマイルストーン」と銀行関係者
CBDC決済の試験運用に関しては、2023年10月に現地で初めてその計画が報じられました。
最近開催された韓国銀行連盟の会合で、2024年12月からの試験運用開始が最終決定されたとのことです。
現地紙の取材に対し、銀行関係者は「当初の予定からするとタイムラインに若干の遅れが生じているものの、2024年の終わりまでには10万人の参加者が預金トークンを使って買い物できるよう、CBDC試験運用の準備を進めているところです。これは国際的に見ても重要なマイルストーンになるでしょう」と語り、今回の取り組みの意義を指摘しました。
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Souce:コリアタイムス報道
執筆・翻訳:BITTIMES 編集部
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