ステーブルコイン、2030年に時価総額3.7兆ドルに達する可能性|米国債の新たな購入先に
ステーブルコイン、規制の明確化などで成長加速か
米国大手金融機関のシティグループ(Citigroup)は2025年4月23日に、ステーブルコインの時価総額が3.7兆ドル(約529兆円)に達する可能性があると報告しました。
同金融機関は「デジタルドル:銀行と公共部門がブロックチェーン導入を推進」と題したレポートを公開し、標準的な予測としてステーブルコインの時価総額が2030年までに1.6兆ドル(約228兆円)に達する可能性があると指摘しています。
さらに、強気シナリオでは3.7兆ドル、弱気シナリオでは5,000億ドル(約71兆円)の時価総額に達するとも予測しました。
これらの予測は、ステーブルコインの年間成長率を基に算出されたものです。特に標準的な予測である1.6兆ドルという数値は、2021年〜2024年の平均年間成長率(約17%)を基準に計算されています。
今後の成長率を左右する要素として、規制の明確化、企業からの信頼獲得、銀行など決済ネットワークとの連携、マクロ経済要因、国境を越えた決済のユースケースなどを挙げました。
ステーブルコインの発行体が主要な米国債保有者に
同レポートでは、今後ステーブルコインが米国債の新たな需要を生み出す可能性についても触れられています。
ステーブルコインはその価値の安定性を維持するため、一般的に米国債やそれに準ずる低リスク資産によって価値を裏付ける仕組みとなっています。
上記の点から、同レポートはステーブルコインの時価総額が成長するにつれて、米国内外で低リスクのドル建て資産の需要が高まるとの見解を示しました。
また、1兆ドル(約143兆円)以上の米国債購入が発生する可能性があると指摘しています。その結果、ステーブルコインの発行体が米国債の最大保有者になる可能性があると予測しています。
「ステーブルコイン規制は不可欠」
ステーブルコインの活用が広がる
同レポートはステーブルコインのユースケースについて、現状では90%以上が仮想通貨取引によるものという見解を示しました。
一方、アルゼンチン、トルコ、ケニアといった法定通貨のボラティリティが高い各国では、ステーブルコインが重要な資産になりつつあるとも指摘しています。
上記に加えて、大手資産運用会社や金融機関がステーブルコインを活用した決済を試験的に導入している事例などから、今後ユースケースが広まる可能性があると予測しています。
※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=143円)
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Souce:Citigroupレポート
執筆・翻訳:BITTIMES 編集部
サムネイル:AIによる生成画像