Visa、ステーブルコイン決済カードを発表
決済大手のVisa社は2025年4月30日に、ブリッジ社(Bridge)と提携してステーブルコインで取引できる新たなカード発行プロダクトを発表しました。
この提携により、Bridgeのプラットフォームを使うフィンテック企業は、一つのAPI連携だけで複数の国向けにステーブルコインと連携したVisaカードを発行できるようになります。
カード保有者は米ドルと連動したステーブルコイン(USDCなど)の残高から直接支払いができ、世界中の1億5,000万以上あるVisa加盟店で日々の買い物に利用できます。
決済時には、Bridgeがユーザーのステーブルコイン残高から必要額を自動的に現地の法定通貨に変換します。これにより加盟店側は通常のVisa取引と同様に自国通貨で受け取ることができます。
Visaの製品戦略責任者ジャック・フォレステル氏は以下のように述べ、人々が日々の暮らしの中でお金の管理や支払い方法をより自由に選べるようになると強調しました。
既存のVisaネットワークにステーブルコインをスムーズかつ安全に取り入れることに力を入れています。Bridgeとの提携は、ステーブルコインを日々の暮らしで使えるようにする大切な一歩となります
Xと提携で「X_Money」提供
Visaのステーブルコイン決済展開計画
Visaは、物価上昇などで安定した通貨を求める声が強い新興国で、資産価値の維持や普段の買い物にステーブルコインを活用したいという要望が増えていることから「誰もが日常生活でステーブルコインを使える世界」を目指しています。
その最初の取り組みとして、まずラテンアメリカ6か国でサービスを始め、その後数か月のうちにヨーロッパ、アフリカ、アジアへと順に広げていく予定です。
なお、このサービスには米国のLead Bankが金融パートナーとして加わり、VisaとBridgeが共同で決済の流れを管理します。
「アバランチカード」発表
対象となるラテンアメリカ6カ国
今回の試験導入の対象地域として、VisaとBridgeはラテンアメリカの以下6か国を挙げています。
- アルゼンチン
- コロンビア
- エクアドル
- メキシコ
- ペルー
- チリ
これらの国々で発行されたカードは、世界中のVisa加盟店で利用可能です。
中南米を選んだ理由について、Visaは「消費者や企業が資産価値の維持や普段の支払いにステーブルコインを使いたいという声の高まりに応えるため」と説明しています。
アルゼンチンやベネズエラなど一部の中南米諸国では激しい物価上昇を受け、米ドルと連動したステーブルコインが自国通貨の代わりとして広く使われています。
決済機能を備えた仮想通貨ウォレット
Visa新発表に業界から期待の声
今回の発表を受け、Visaと仮想通貨(暗号資産)業界の関係者からさまざまな反応が寄せられています。
Visaの仮想通貨部門責任者カイ・シェフィールド氏はX(Twitter)で「Bridgeとの提携に興奮しています。Visaをステーブルコイン決済の主要なネットワークにする大きな力になるでしょう」と投稿しました。
仮想通貨業界の専門家からも前向きな反応が次々と寄せられています。
米国の暗号資産運用会社Bitwise(ビットワイズ)のCIOであるマット・フーガン氏は「数年後には銀行業の姿が大きく変わるだろう」とXに投稿し、これまで国ごとに複雑だったカード発行の仕組みが一つにまとまった点を高く評価しています。
Banking is going to look different in a few years. https://t.co/xAWLy6i4Q7
— Matt Hougan (@Matt_Hougan) April 30, 2025
数年後には銀行業務は様変わりするでしょう。
Visaのステーブルコイン対応カードの登場は、決済業界と仮想通貨業界の両方から新たな挑戦として注目を集め、多くの支持の声が上がっています。
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Source:Visa公式発表
サムネイル:AIによる生成画像






























