仮想通貨市場の急落、カーランド氏「計算された調整局面」
仮想通貨リサーチプラットフォーム「DYOR」のCEOであるベン・カーランド氏は、2025年8月1日から始まった仮想通貨市場の下落について「計算された一時的な調整」との見解を示しました。
今回の下落は、ドナルド・トランプ米大統領による追加関税の発表や、雇用統計の結果を受けて投資家心理が悪化し、市場全体にリスク回避の動きが広がったことが要因とみられています。
その影響として、ロングポジションの強制清算も急増しました。過去24時間で、ビットコイン(BTC)は約2億2,800万ドル(約338億円)、イーサリアム(ETH)は約2億6,200万ドル(約388億円)相当のポジションが清算されたと報じられています。
カーランド氏は、こうした市場の動きについて「大口投資家による利益確定や資金再配置といった戦略的な動きが背景にある」と指摘し、今回の下落は一時的な調整に過ぎないとの認識を示しました。
TechDev氏「BTCは2026年秋まで上昇基調」
仮想通貨市場下落の要因とカーランド氏の分析
関税発表が引き金となった仮想通貨市場の動揺
トランプ氏による関税発表に加え、雇用統計の悪化がインフレ懸念と経済不安を引き起こし、一部の投資家は高いボラティリティを持つ仮想通貨から、安全資産である債券や金へと資金を移す動きが見られました。
さらに、急落局面では大量のレバレッジ取引が一斉に解消され、約6億3,500万ドル(約940億円)相当のポジションが清算されたことにより、市場全体にさらなる下落圧力が加わったと報告されています。
重要テクニカル水準でのビットコイン価格推移
一方、ビットコインは重要なテクニカル水準とれている11万4,000ドル付近を推移しています。この価格帯を維持している限り、上昇トレンドが継続しているとの見解も示されています。
また、機関投資家の動きも依然として活発であり、ビットコインETFやイーサリアムの現物ファンドへの資金流入が続いている状況です。
オプション市場にも強気の傾向が表れており、BTCのプット・コール比率は0.65と、コールの建玉が優勢となっています。これらの要因を踏まえ、カーランド氏を含む専門家らは今回の下落を一時的な調整と捉えています。
全体として、市場には依然として長期的な強気基調への信頼感が残っており、今回の「小休止」を経て適度な調整が完了すれば、再び上昇トレンドへ戻る可能性が高いとの指摘も出ています。
バイナンスCEO「仮想通貨は未来」
仮想通貨市場の調整後、再び上昇局面へ?
ビットコイン価格の中期的な上昇シナリオ
直近では市場が一時的に停滞しているものの、中長期的な見通しにおいては、引き続き強気な予測が複数の専門家から示されています。
仮想通貨アナリストのTechDev氏も、ビットコインの強気相場は今後14ヶ月以上続く可能性があるとの見解を示しています。
同氏は、価格トレンドが2026年秋頃まで継続した場合、中期的には17万ドル(約2,520万円)、長期的には最大38万ドル(約5,630万円)に到達する余地があると指摘しました。
TechDev氏は、過去の強気相場ではビットコインが転換点から14ヶ月後にピークを迎える傾向があったと述べており、今回も同様のサイクルに入っている可能性が高いと分析しています。
ビットコイン追加購入が示す機関投資家の信頼
実際に大手機関投資家による強気姿勢も鮮明で、米国企業のストラテジー(旧マイクロストラテジー)は7月末に新株発行で調達した約25億ドルの資金を用いて21,021 BTCを追加購入したと発表しました。
この大型購入により、同社の保有残高は約62万8,800 BTCへと拡大しました。市場では、機関投資家が引き続きビットコイン価格を支える存在であるとの見方が広がっています。
米国金融政策がビットコイン市場に与える影響
一部の専門家は、米国の金融政策や景気の先行きに引き続き警戒が必要だと述べています。特に今後発表される経済指標や規制方針が、短期的にビットコイン価格に影響を及ぼす要因となる可能性が指摘されています。
一方で、過去最高値圏での一時的な調整を経た現在の仮想通貨市場に対しては「年内から来年にかけて新たな高値圏に突入する」との期待が強まっており、アナリストらも長期的な視点から強気の姿勢を保っています。
こうした複数の予測が示すように、今回の下落局面は将来的な上昇に向けた基盤形成の期間とみなされており、数ヶ月先の市場動向に対して業界関係者の関心が集まっています。
※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=148.10 円)
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Source:CNBC報道
サムネイル:AIによる生成画像





























