ビットコイン「10年以内に130万ドルに達する可能性も」Bitwiseが示す3つのシナリオ

ビットコイン「10年以内に130万ドルに達する可能性も」Bitwiseが示す3つのシナリオ(Bitcoin could reach $1.3 million within 10 years, according to three scenarios by Bitwise)
目次

Bitwise「BTCは今後10年で最高の資産クラス」

米国の仮想通貨運用会社Bitwise(ビットワイズ)は最新レポートを公表し、2035年までにビットコイン(BTC)価格が130万ドル(約1.9億円)に到達する可能性があるとの予測を示しました。

このレポートは今後10年間のビットコイン市場を分析したもので、期間中の年平均成長率(CAGR)を28.3%と予測しています。そのうえで、ビットコインが「今後10年で最も高いパフォーマンスを示す資産クラスになる」と結論づけています。

Bitwiseはさらに、予測期間中のビットコインのボラティリティ(価格変動性)が平均32.9%程度にとどまり、過去よりも低下するとの見方を示しました。あわせて、株式や債券といった伝統的資産との相関も引き続き低水準で推移すると分析しています。

また、従来は大きな注目を集めていた4年周期の価格サイクルについても、機関投資家の存在感拡大や半減期の影響の相対的低下により「もはや過去ほどの有効性はない」との見解を示しました。

一方で、Bitwiseはこうした長期予測に対して、規制や法制度の変化やビットコイン自体の歴史の浅さに起因する不確実性をリスク要因として挙げています。

Bitwiseが示す予測根拠と3つのシナリオ

Bitwiseのレポートでは、予測の根拠として具体的な数値や前提が示されています。

供給減と資金流入が形成する強気相場構造

同社は今後10年を見据え、機関投資家が全体ポートフォリオの1〜5%をビットコインに配分するシナリオを想定しています。

この前提に基づき、想定される資金流入は総額1兆〜5兆ドル(約147兆円〜734兆円)の規模に達すると試算しています。さらに現状でも、需要が供給を上回る局面が続いていると指摘しました。

これらのことから、需給面が構造的な強気基調を支えているとの見解を示しています。実際には、Coinbase(コインベース)など大手取引所の出来高では機関投資家の比率が高まり、市場の主役は個人から機関へ移行しつつあります。

デジタルゴールド化が進むビットコインの長期価値

ビットコインの供給面に関しては、希少性の高さが中長期の評価軸になると分析しています。

レポートによると、流通済みBTCは既に全体の94.8%に達し、新規発行率は現時点で年0.8%と低水準です。さらに2028年に0.4%、2032年には0.2%まで縮小する見込みとされており、供給の伸びは一段と鈍化するとの見解を示しました。

Bitwiseは「需要増や価格上昇があっても発行量は増えない」と説明し、非弾性的な供給構造を長期評価の前提に据えています。

こうした供給の硬直性に対し、政府債務の膨張や法定通貨の価値低下への懸念を背景に「デジタルゴールド」としての需要は着実に増すと分析しています。

米国の連邦債務は過去5年で13兆ドル(約1,900兆円)増え、利払いは年1兆ドル(約147兆円)規模に拡大しました。こうした財政環境と金融緩和期待を背景に、ビットコインを「インフレ保険」とみなす機関投資家が増えている状況です。

Bitwiseはこうした需要構造が今後10年の価格形成にも影響を及ぼすとの見通しを示しました。

弱気・中立・強気シナリオ別ビットコイン見通し

Bitwise_Reportの画像シナリオ別ビットコイン価格予想(画像:Bitwiseレポート)

レポートではビットコイン価格について複数のシナリオが示されています。中立シナリオ(ベースケース)では2035年までに約130万ドルに到達すると予測しています。

強気シナリオ(ブルケース)では約297万ドル(約4.4億円)まで上振れ、年率39.4%の伸びを想定しています。これに対し、弱気シナリオ(ベアケース)は年率2%程度にとどまり、2035年の想定価格は約88,000ドル(約1,300万円)との見解を示しました。

Bitwiseは自社モデルについて「保守的なくらいが妥当」と説明しました。あわせて、業界で参照されるストック・フロー比(S2F)モデルが2035年に1,160万ドル(約17億円)を示す点に触れ、「一貫して強気に偏る傾向がある」と評価しています。

ビットコイン市場に広がる機関投資家需要

過去最高値更新を支えた金融緩和観測と規制

直近のビットコイン市場は価格面で堅調に推移しています。7月から上昇基調が強まり、8月に入って過去最高値を更新する展開となりました。

8月14日には一時124,000ドル(約1,820万円)に達し、年初来で30%以上の上昇となっています。背景には、FRB(米連邦準備制度理事会)による金融緩和観測や米国の規制環境が追い風となっているとみられています。

米国ではトランプ政権が仮想通貨関連の法整備を推し進めており、ステーブルコイン規制法の成立年金制度への投資解禁が進んでいます。

こうした動きが機関投資家の参入を促し、市場の強気ムードを下支えしています。結果として、仮想通貨市場全体の時価総額は直近で一時4兆ドル(約590兆円)に到達しました。

Coinbase CEOが語るビットコイン100万ドル予測

業界関係者からも長期的な強気見通しが続いています。米大手取引所Coinbaseのブライアン・アームストロングCEOは8月21日の対談で、自身の価格観と前提条件を示しました。

同氏は「2030年までにビットコインが100万ドル(約1.5億円)に到達し得る」と述べ、根拠として規制の明確化や米政府による準備資産化の可能性などを挙げました。

さらに、仮想通貨ETF(上場投資信託)でへの関心拡大も追い風と位置付けました。一方で「これは金融アドバイスではなく、保証もできない」と述べ、見通しには不確実性が残る点を明確にしています。

これらの発言は市場の中長期見通しに対する期待を押し上げました。各国政府や大手機関の関与が強まる中で、今後10年を有望視する見方が広がっています。

※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=146.79 円)

>>最新の仮想通貨ニュースはこちら

Source:Bitwiseレポート
サムネイル:Shutterstockのライセンス許諾により使用

  • URLをコピーしました!

Written by

BITTIMES 編集長のアバター BITTIMES 編集長 仮想通貨ライター

2016年から仮想通貨に関するニュース記事の執筆を開始し、現在に至るまで様々なWeb3関連の記事を執筆。
これまでにビットコイン、イーサリアム、DeFi、NFTなど、数百本以上の記事を執筆し、国内外の仮想通貨ニュースの動向を追い続けている。

仮想通貨ニュース|新着

仮想通貨入門 - 基礎知識

市場分析・価格予想

目次