リップルとBBVA、欧州向け仮想通貨カストディ提供へ
米Ripple（リップル）社は2025年9月9日、スペインの大手銀行であるBBVAと提携を拡大し、欧州市場向けにビットコイン（BTC）とイーサリアム（ETH）のカストディ（保管）サービスを提供すると発表しました。
発表によると、リップル社はBBVAにデジタル資産カストディ技術「Ripple Custody」を提供するとともに、同行がスペインで開始する仮想通貨の売買・保管サービスを支援するとしています。
この提携により、BBVAのリテール顧客は同社のモバイルアプリ上でビットコインやイーサリアムの取引から保管までを完結できるようになり、利便性と安全性の向上につながると説明されています。
今回の合意は、リップル社がこれまで提供してきたスイス（BBVA Switzerland）やトルコ（Garanti BBVA）でのカストディ提供実績を踏まえたものであり、伝統的な大手銀行が仮想通貨サービスに本格参入する流れの一例と位置付けられています。
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銀行アプリでビットコイン・イーサリアムを直接管理可能に
Ripple Custody導入で利便性と安全性を両立
発表によると、BBVAはリップル社の提供する機関投資家向けカストディ基盤「Ripple Custody」を活用し、仮想通貨（暗号資産）の保管機能を自社の銀行インフラ内で直接提供する計画です。
これにより、外部事業者を介さず、BBVAの公式アプリ上でビットコインやイーサリアムの取引から保管までを完結できると説明しています。
さらに、銀行が直接カストディを担うことで、利便性とセキュリティを確保すると同時に、規制要件も満たす体制となります。
BBVAの積極的な仮想通貨戦略
2025年6月には、富裕層顧客に対しポートフォリオの最大7%をビットコインやイーサリアムで保有するよう助言していたことが報じられ、銀行業界における姿勢転換の象徴として注目を集めました。
今回のリップル社との提携は、こうしたBBVAの先進的な仮想通貨戦略をさらに加速させる動きとみられています。
銀行向け基盤を広げるリップルの買収戦略
一方で、リップル社は国際送金の実績に加え、カストディ分野へも事業領域を拡大してきました。
同社は2023年5月、スイス拠点のデジタル資産カストディ企業Metaco（メタコ）を2億5,000万ドル（約370億円）で買収し、その技術を基盤に「Ripple Custody」を提供しています。
これにより、リップル社は金融機関向けインフラ企業としての裾野を拡大し、資産運用大手Fidelity（フィデリティ）や大手仮想通貨取引所Coinbase（コインベース）などが展開するカストディ事業に対抗できる体制を構築しました。
規制遵守の実績を基盤とするリップルの信頼性
リップル社は10年以上にわたり規制遵守の枠組みでサービスを提供してきた実績があり、世界各国で60以上のライセンス・登録を取得しています。今回の提携においても、その信頼性が評価されたものとみられています。
リップル社はBBVAのような伝統的金融機関との連携を通じ、自社技術が高いコンプライアンスと安全性の水準を満たすことを示し、銀行と仮想通貨業界の橋渡し役としての存在感を強めています。
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リップルとBBVAの提携が示す欧州金融の未来
今回の提携は、欧州における銀行の仮想通貨参入を象徴する動きであり、規制整備と技術導入の進展に伴い、新たな金融サービスの普及が加速すると見込まれています。
リップル社のカストディ基盤は、銀行が直接顧客に仮想通貨サービスを提供できる環境を整え、信頼性と利便性の両立を示す具体例として注目を集めています。
今後も規制の進展や大手金融機関の参入拡大により、リップル社の技術と提携戦略は存在感を一段と高め、業界全体の発展に寄与する見通しです。
※価格は執筆時点でのレート換算（1ドル=147.39 円）
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Source：Ripple公式発表
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