富裕層顧客に最大7%のビットコイン保有を助言
2025年6月18日、スペインの大手銀行BBVAが富裕層顧客に対し、資産の最大7%をビットコイン(BTC)で保有するよう助言していることが明らかになりました。
ロイターの報道によると、同行のプライベートバンク部門では顧客のリスク許容度に応じて、資産の3〜7%を仮想通貨に配分するよう推奨しているとのことです。
銀行業界ではこれまで仮想通貨はリスクが高いとして敬遠される傾向がありましたが、BBVAの積極的な助言は、業界全体の姿勢が変わりつつある象徴として注目を集めています。
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BBVA幹部が語る仮想通貨戦略の背景
今回の助言については、BBVAスイス支部のデジタル&ブロックチェーンソリューション部門責任者であるフィリップ・マイヤー氏が、6月17日にロンドンで開催された「DigiAssets」カンファレンスで明らかにしています。
ロイターよると、BBVAは2024年9月から富裕層顧客にビットコイン投資を推奨しており、特にリスク選好の高い顧客には資産全体の最大7%を仮想通貨で保有することを勧めています。
推奨している仮想通貨は現状ビットコインとイーサリアム(ETH)で、年内にはさらに対象となる通貨を拡大する計画も明らかにしています。
BBVAでは2021年以降、顧客の要望に応じてビットコイン取引を実施してきましたが、今回のように大手銀行が積極的に投資を推奨するのは先駆的な取り組みとなっています。ただし、記事執筆時点でBBVAから公式なコメントはまだ発表されていません。
ビットコイン市場の追い風と懸念
BBVAが仮想通貨への投資助言を行う背景には、最近の仮想通貨市場の好調さがあるとみられています。ビットコイン価格は近年急激に上昇しており、2025年5月には過去最高値となる11万ドル台を突破しました。
2022年はFTX破綻などにより市場が一時低迷しましたが、その後、2025年1月に就任したドナルド・トランプ大統領が仮想通貨に対して積極的な政策を打ち出したことも後押しとなり市場は回復に向かっています。
一方、規制当局は仮想通貨投資に伴うリスクについて引き続き警鐘を鳴らしており「投資資金の全損もあり得る」との注意喚起を継続しています。
2025年初頭に欧州証券市場庁(ESMA)が発表した報告書によると「EU域内の銀行の95%は仮想通貨関連業務に未だ参入していない」としており、銀行業界全体としての仮想通貨への対応は依然慎重な姿勢が多くみられています。
顧客評価「少額配分でも効果を実感」
しかし、マイヤー氏は「顧客の多くは助言を受け入れており、バランスの取れたポートフォリオに3%ほどの仮想通貨を加えるだけでも投資パフォーマンスの向上を実感している」と語っています。
3%程度の配分であればリスクも限定的であるため、仮想通貨に懐疑的だった顧客も受け入れやすいとしています。
仮想通貨市場への銀行参入が加速
今回のBBVAの助言に関する報道は、銀行業界全体で進む仮想通貨への関与拡大の一例に過ぎません。
他の大手金融機関でも仮想通貨対応が進んでおり、米JPモルガン・チェースのジェイミー・ダイモンCEOは2025年初頭、これまでの否定的な見解を転換し「顧客にビットコイン購入を許可する」と表明しています。
また、同行はブラックロックのビットコインETF「iShares Bitcoin ETF(IBIT)」を担保とするローンサービスも計画しています。
一方スペイン国内では同国の中央預託機関Cecabankが仮想通貨取引所Bit2Meと提携し、他行向けに仮想通貨の売買および保管サービスを提供する準備を進めています。
欧州では2025年5月31日に包括的な規制枠組み「仮想通貨市場規則(MiCA)」が施行され、銀行の仮想通貨市場参入の環境が整いつつあります。
米国でもFRB(米連邦準備制度理事会)が2022年に出した銀行向け仮想通貨ガイダンスを2025年4月に撤回し、マイケル・セイラー氏は「銀行は自由にビットコインを支援できるようになった」と評価しています。
このように規制緩和やETF承認が進むことで、伝統的金融機関の仮想通貨市場への参入は今後さらに加速する可能性があるとみられています。
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Source:ロイター報道
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