PHASE II始動、メタプラネットが新たな成長局面へ
東証スタンダード上場の株式会社メタプラネットは2025年10月1日に、新たな成長戦略「PHASE II」を発表しました。
同社は2026年末までに10万BTC、2027年末までに21万BTCの保有を目指す「555ミリオン計画」を掲げており、PHASE IIでは同計画の目標を維持しつつ、資金調達手段の多様化を進め、普通株の希薄化を抑えながらビットコイン(BTC)の買い増しを加速させる方針です。
現在、メタプラネットのビットコイン保有量は30,823 BTCに達しており、2025年度末の目標である3万BTCはすでに前倒しで達成しています。
発表によると、PHASE IIではまず、上限年利6%のA種・B種の永久型優先株式を発行する体制を整え、配当を原資とした資金調達を進める計画です。
調達した資金は、追加のビットコイン購入に加え、取得済みのドメイン「Bitcoin.jp」を活用して、情報発信・教育・イベント・サービスを統合するプラットフォーム事業の拡充にも活用される予定です。
これにより、メタプラネットは日本におけるビットコインの総合拠点の構築を目指すとしています。
メタプラネット「555ミリオン計画」
PHASE IIで加速するメタプラネットのビットコイン戦略
ビットコイン・インカム事業が大幅増収
公式発表によると、2025年12月期第3四半期におけるビットコイン・インカム事業の売上高は24億3,800万円で、前四半期比115.7%増となりました。
同社は2025年度の連結業績予想を大幅に上方修正し、売上高を68億円(従来見込み34億円)、営業利益を47億円(同25億円)に引き上げています。
メタプラネットのBTCインカム事業は、第3四半期に2,438百万円の売上収益を計上し、前四半期(Q2 2025)比で115.7%の成長を達成しました。Q3の業績を受け、25年度連結業績予想を修正しました:
売上高: 6,800百万円(前回予想: 3,400百万円)
営業利益: 4,700百万円(前回予想: 2,500百万円)… pic.twitter.com/2xFllQKXDj— Simon Gerovich (@gerovich) October 1, 2025
この好調を踏まえ、新戦略PHASE IIでは、普通株式の希薄化を回避しつつビットコインの蓄積を強化することを目指しています。
具体策として、同社は優先株式(Metaplanet Prefs)の発行体制を整え、ビットコイン・インカム事業などの収益を原資に配当を支払う形で長期資金を調達するとしています。
永久型優先株による新たな資金戦略
さらに資金調達戦略の一環として、メタプラネットはビットコイン購入資金を確保するために「永久型優先株」という仕組みを導入しました。
これは、株主から資金を集める手段の一つで、普通株式の発行と異なり既存株主の持ち分を薄めずに資金調達ができる仕組みです。
この優先株にはA種とB種があり、2025年9月1日の臨時株主総会で承認されました。A種は普通株式に転換されないため、既存株主の持ち分が減ることはありません。一方、B種は将来の条件によって普通株式に転換される可能性があるとしています。
また、配当利回りの上限は年6%に設定されており、投資家には安定したリターンを提供すると説明されています。会社側はこの仕組みにより、長期的にビットコインを積み増すための資金を安定的に確保できるとしています。
永久型優先株は、株主の権利を大きく変えずにビットコイン購入資金を調達できる仕組みとして、メタプラネットの成長戦略を支える重要な柱と位置付けられています。
Bitcoin.jpを活用したプラットフォーム展開
プラットフォーム事業の強化もPHASE IIの柱の一つです。メタプラネットは2025年9月17日の取締役会で、ビットコイン関連事業を統括する新会社「ビットコインジャパン株式会社」の設立とドメイン「Bitcoin.jp」の取得を決議しました。
この新会社はBitcoin.jpを活用し、ビットコイン関連メディアの運営や2027年開催予定のカンファレンス主催などを計画しています。
教育・イベント・サービスを統合したプラットフォームを展開することで、メタプラネットは日本のビットコイン・エコシステムを代表する情報ハブとしての地位の確立を目指すとしています。
今回発表された「PHASE II」の全体像では、金融と情報発信の両面で事業基盤を強化する構想が示されました。
メタプラネットのBTC投資戦略
メタプラネット「PHASE II」が描く今後の展望
メタプラネットは、ビットコイン保有拡大と新たな資金調達スキームを基盤に、金融と情報発信を両輪とした事業拡張を進めています。こうした取り組みを通じて、成長戦略「PHASE II」は同社の長期戦略の転換点として位置付けられています。
今後は、Bitcoin.jpを活用した教育やイベントの展開、ビットコイン・インカム事業の強化を通じて、収益の安定化を図るとともに、市場での存在感を高め、国内外の投資家からの信頼を築くことを目指す方針です。
第3四半期の業績好調や保有BTCの拡大は、PHASE IIの実効性を裏付けるものであり、メタプラネットが日本におけるビットコイン戦略の先駆者として歩みを加速させる姿を鮮明に示しています。
メタプラネット関連の注目記事はこちら
Source:メタプラネット発表① / メタプラネット発表②
サムネイル:Shutterstockのライセンス許諾により使用




























