SBIホールディングス、米Evernorth社に2億ドル出資|XRPトレジャリー事業をRippleと支援

SBIホールディングス、米Evernorth社に2億ドル出資|XRPトレジャリー事業をRippleと支援(SBI Holdings invests $200 million in U.S. firm Evernorth and supports XRP treasury business with Ripple)
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SBI、ナスダック上場予定のXRP企業支援

SBIホールディングスは2025年10月21日、米Evernorth Holdings Inc.(エバーノース)が展開するXRPトレジャリー事業向けのPIPE(私募増資)に2億ドル(約303億円)を出資したと発表しました。

エバーノース社は仮想通貨XRPの機関投資家による採用促進を目的として設立された企業で、特別買収目的会社(SPAC)であるArmada Acquisition Corp. IIとの事業統合を経て、ティッカーシンボル「XRPN」でナスダック市場に上場する計画です。

同社はこの上場を通じて総額10億ドル(約1,510億円)超の資金調達を見込んでおり、SBIホールディングスの2億ドルの出資もその一部に含まれます。

SBIホールディングスの発表によると、調達資金の大部分はXRPの公開市場での買い入れに充てられ、世界最大規模の公開XRPトレジャリー(財務準備資産)の構築を目指す方針です。

また、今回の出資にはSBIの主要提携先である米Ripple(リップル)社も参加しており、両社で協力してXRPエコシステムの拡大を支援すると説明しています。

XRP機関投資市場への本格参入を加速

機関投資家向けに設計されたXRPトレジャリー戦略

発表によると、エバーノース社はXRPを活用したデジタル資産トレジャリー企業として、機関投資家に透明性の高い流動性と利回り追求の機会を提供することを目的としています。

同社のモデルは従来の受動的な仮想通貨ファンドとは異なり、XRPの公開市場での蓄積に加え、分散型金融(DeFi)や機関投資家向けレンディングも活用し、1株当たりのXRP保有量を長期的に増加させるアクティブ運用型戦略を採用しています。

RLUSD活用とXRPエコシステムの拡張

さらに、エバーノース社はXRPレジャー上でバリデーターを運用し、リップル社が開発した米ドル連動型ステーブルコイン「RLUSD」を、XRP基盤のDeFi領域へのオンランプとして活用する計画も明らかにしています。

SBIホールディングスは「エバーノース社のアプローチは単に市場動向による利益を追求するだけでなく、XRPレジャー全体の成長に関与してリターンを得る試みが、XRPの機関投資家によるさらなる採用拡大に極めて重要だ」と評価しており、今回の出資を通じてXRPエコシステムの発展に貢献するとともに、自社グループの収益機会拡大も図る考えを示しています。

SBIが主導するXRP関連企業の成長支援

SBIグループはこれまでも日米でリップル社との合弁事業「SBI Ripple Asia」を設立するなど、国際送金や流動性供給分野でXRPの実用化を推進してきました。

一方、エバーノース社にはSBIの2億ドル出資に加え、リップル社本体や同社の慈善部門であるRippleWorks、米投資会社Pantera Capital、仮想通貨取引所Kraken(クラーケン)、マーケットメーカーのGSR、およびリップル社共同創業者のクリス・ラーセン氏などが出資者として名を連ねており、調達総額は10億ドル超に達する見通しです。

日本経済新聞の報道によれば、SBIホールディングスはエバーノース社株式の約2割を取得する見込みで、主要株主の一つとして同社の経営にも一定の影響力を持つとみられます。

SBIとエバーノースが推進するXRP投資機会

エバーノース社の経営陣にはリップル社で上級幹部を務めていたアシーシュ・ビルラ氏がCEOとして就任し、リップル社CEOのブラッド・ガーリングハウス氏や法務責任者スチュアート・アルデロティ氏、CTOデイビッド・シュワルツ氏らが戦略アドバイザーに就く予定となっています。

ビルラ氏はメディアの取材に対し「イーサリアム関連の資産保有ビークルが数多く存在する中で、我々はXRPに特化した最大規模のトレジャリー企業を創り上げたい」と述べ、自身もリップル社の取締役を退任してエバーノース社の事業に専念する意向を示しました。

SBIホールディングスも発表の中「今回の出資は、これまでの取り組みをさらに強化するものであり、デジタルアセットを中核とする革新的な金融エコシステムの構築を目指す当社グループの戦略とも合致するもの」と説明しており、流動性の高いXRPへの投資機会提供に期待を示しています。

XRPに追い風、米国で進む金融市場統合

XRP現物ETFがシカゴ取引所で取引開始

SBIホールディングスによる巨額出資とエバーノース社の上場計画は、米国市場で進むXRP関連の活発な動きを象徴しています。

2025年9月には、米国初のXRP現物連動型ETFがシカゴの証券取引所に上場しており、初日の取引高は約3,770万ドル(約60億円)に達しました。

このXRP ETF(ティッカー:XRPR)や同時に上場したドージコイン(DOGE)ETFの成功は、ビットコイン(BTC)イーサリアム(ETH)以外のアルトコインにもETFを通じた投資機会が広がったことを示しています。

また、米シカゴ商品取引所(CMEグループ)は10月13日付でソラナ(SOL)とXRPのオプション取引の提供を開始し、機関投資家を含む幅広い市場参加者からの強い需要に応える新たな一手だと強調しました。

XRP規制環境の整備と投資機会の広がり

CMEによれば、この動きは規制されたデリバティブ市場のさらなる成熟を示すものであり、既存のビットコインやイーサリアムに続いてXRPが金融市場で重要な地位を築きつつあることを裏付けています。

さらにSEC(米証券取引委員会)がアルトコインETFの承認手続きを簡略化する方針を示すとともに、リップル社の関連企業買収やXRPの有用性強化の取り組みも相まって、米国の仮想通貨市場でXRPを含むトークンの主流金融市場への統合が加速しています。

こうした一連の動きは、XRPを中心としたデジタル資産が規制市場で確固たる地位を築く転換点となる可能性を示唆しています。

※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=151.68 円)

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Source:SBIホールディングス発表
サムネイル:Shutterstockのライセンス許諾により使用

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BITTIMES 編集長のアバター BITTIMES 編集長 仮想通貨ライター

2016年から仮想通貨に関するニュース記事の執筆を開始し、現在に至るまで様々なWeb3関連の記事を執筆。
これまでにビットコイン、イーサリアム、DeFi、NFTなど、数百本以上の記事を執筆し、国内外の仮想通貨ニュースの動向を追い続けている。

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