「XRP Ledgerレンディング構想」XRPを巡る新局面
「Digital Perspectives」として活動する仮想通貨アナリストのブラッド・カイムズ氏は2025年12月23日、自身のX(旧Twitter)で、「今はエックスアールピー(XRP)を売却すべきでない」とXRP投資家に呼び掛けました。
この発言の背景には、Ripple(リップル)社エンジニアのエド・ヘニス氏が提案する、XRPの土台である分散型台帳「XRP Ledger(XRPL)」上の新たなレンディング機能があります。
このプロトコルは、機関投資家が求める明確な契約条件と安定した利回りを提供し得るとされており、カイムズ氏はXRPを手放さず担保として活用する戦略を提唱しています。
このレンディング機能では、XRPを担保に固定期間・固定金利で資金を借り入れることが想定されています。
「銀行はXRP_Ledgerを採用」
XRPLレンディング構想が示すXRPの新たな役割
XRPコミュニティに根付く売却回避の価値観
カイムズ氏はXへの投稿で「XRPを決して売るな」と述べ、このフレーズを「ホーリーグレイル(聖杯)だ」と表現した上で、数年前にコミュニティで提唱した人物に言及しました。
「XRPは売るな」という考え方は、XRP保有者の間で長く共有されてきたものであり、今回の投稿はそうした価値観を改めて示した形となっています。
The holy grail. "Never sell your XRP."#Credit to the person who created this so many years ago for the community. It is spot on.
(Not sure if they are still in the community but I hope they come forward) https://t.co/cgae0Cn7Je pic.twitter.com/QnkdbrWPfb— Digital Perspectives (@DigPerspectives) December 22, 2025
聖杯:「XRPは絶対に売るな」
——何年も前に、この言葉をコミュニティのために残してくれた方に感謝します。本当にその通りです。
XRPLに組み込まれる新たな貸付プロトコル
XRPLレンディング・プロトコルは、XRPL上に貸付(クレジット)機能を組み込む試みとされ、提案は「XLS-66d」という改訂案として進められています。
ヘニス氏によれば、この仕組みでは融資の契約条件や返済スケジュール、利息計算、貸付許可などを台帳のコアレベルで処理し、外部のスマートコントラクトに頼らず提供する想定とされています。
こうした仕組みを前提に、企業はブロックチェーン上でも従来の金融と同程度の予測可能性と規律をもって信用供与を受けることが可能になるとされています。
従来型DeFiと異なるXRPLレンディングの安定性
またXRPLレンディングでは、各ローンが個別の「シングルアセット・ボールト」に分離され、ローンごとのリスクが他に波及しない仕組みが採用されています。
このような設計により、DeFi(分散型金融)の融資プラットフォームが市場ストレス時に経験してきた連鎖的な損失拡大を抑制し、より伝統的な信用市場に近い安定性を目指すとされています。
また、従来の暗号資産レンディングでは担保を求めるケースが多いのに対し、XRPLの提案では信用審査を前提に担保要件を抑えた形で融資を受けられる可能性も示されています。
バリデーター投票を控えるXRPLレンディング案
ヘニス氏は具体例として、決済サービス事業者がリップル社の米ドル連動型ステーブルコイン「RLUSD」を短期借入して決済のつなぎ資金に充てることや、マーケットメイカーがXRPやRLUSDを借りて在庫・裁定取引に活用するケースを挙げています。
さらにフィンテックの貸付業者がオンチェーンの信用枠を活用して中小企業への短期融資を行う可能性も示されています。
この提案は2026年1月末にもバリデーターによる投票に付される予定で、可否はXRP Ledgerネットワークの合意に委ねられます。
仮に実現した場合、XRPが機関投資家向けの信用市場で一定の役割を担う可能性があるとして、XRPの取り扱いについて慎重な見方が示されています
RWA需要拡大でXRPLの活用が加速
XRPを取り巻く市場環境と中長期的な評価軸
XRP価格調整局面と足元の市場評価
記事執筆時点のXRP価格は約1.85ドル(約290円)で、急騰後の調整局面に入っており、依然として重要な水準を下回っています。
一方で、機関投資家による資金流入を示す動きも報じられています。
12月22日には、XRP投資商品の純資金流入が単日で約4,400万ドル(約70億円)に達し、弱気なセンチメントとは対照的に機関マネーが流入したことが伝えられています。
規制不透明感後退がもたらすXRPの可能性
また、2025年8月にSEC(米国証券取引委員会)との訴訟が和解し、XRPが証券ではないとの司法判断が確定したことで、規制の不透明感が後退しました。
この判断により、XRPを取り巻く法的な位置付けが明確化され、市場や関連プロジェクトにとって予見性が高まったと受け止められています。
※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=156.16 円)
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Source:ブラッド・カイムズ氏X投稿 / エド・ヘニス氏提案
サムネイル:AIによる生成画像

























