この記事の要点
- イーサリアム共同創設者ブテリン氏がLean Ethereum構想に言及
- 3〜4年規模でプロトコル全面刷新へ、設計転換点に
Lean Ethereum、Merge以来の大改革
イーサリアム(ETH)共同創設者のヴィタリック・ブテリン氏は2026年7月5日、更新された長期ロードマップ「Strawmap」を踏まえ、大型刷新「Lean Ethereum」に関する見解を示しました。
同氏によると、Lean Ethereumは単発のアップグレードではなく、3〜4年をかけて段階的に進められる長期的な刷新計画であり、The Merge(マージ)に続くイーサリアムの3度目の大規模刷新と位置付けています。
この構想では、検証方式やコンセンサス、状態データ、クライアント構成などプロトコルの中核部分を順次見直し、ネットワーク全体の設計を新たな方向へと再構築する方針が示されました。
詳細なロードマップでは、状態データの設計変更や量子コンピューターへの耐性強化、仮想マシン(VM)の刷新を軸に、今後数年間をかけて実装を進める計画です。
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状態設計からVMまで、中核技術を全面改修
2030年に100TB規模、二層状態を構想
ブテリン氏は、Lean Ethereumにおける最も難しい課題として状態データの刷新を挙げ、既存設計を維持しつつ高い拡張性を持つ新たな状態を追加する二層構造への移行を目指す考えを示しました。
新しい状態はERC-20トークンやNFT、多くのDeFi(分散型金融)向けに利用される一方で、複雑なコントラクトやオンチェーン注文板については従来の状態で処理する想定となっており、用途ごとに役割を分担する設計が検討されています。
同氏は2030年頃には、従来の状態が約2TB、新しい状態が約100TB規模に達する可能性に言及し、ERC-20トークンを新設計へ移行することで取引手数料を10分の1以下に抑えられる可能性があると説明しました。
一方で、この仕組みはまだ設計段階にあり、現在は5つの案を比較しながら、開発者からのフィードバックを踏まえて設計の調整が進められています。
量子安全性、blob含む全機能に適用へ
ロードマップでは、状態設計の刷新に続いて量子耐性の強化も重点項目に位置付けられており、ブテリン氏は「blob(ブロブ)」を含む各機能について、量子安全性を前提とした設計を進める考えを示しました。
プライバシーについても後付け機能ではなく、設計段階から組み込むべき要素として位置付けを改め、新機能の開発では量子耐性とプライバシー保護の両立を前提に評価する方針としています。
その基盤として再帰的STARK(証明技術)を正式に取り入れ、取引を再実行して検証する現在の方式から、暗号学的な証明で正当性を確認する仕組みへの移行も進める構想です。
ガス拡大・スロット短縮も段階的に実施
ブテリン氏は、こうした変更を実現するにはEVM以外の実行基盤も必要になると説明し、再帰的STARKとの親和性が高いleanISAやRISC-Vを有力候補に挙げました。
将来的にはEVMを高水準言語向けコンパイラへ位置付け直し、プロトコルはleanISAとRISC-Vを直接扱う構成を構想しているほか、ガスリミットの拡大やblob容量の増加、スロット時間の短縮も今後数年間にわたり段階的に進める考えを示しています。
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2029年まで7回フォーク、EFも体制再編
Lean Ethereumへの移行時期についてブテリン氏は、H-star(別名Hegotá)が最後の「Lean以前」のフォークとなり、その次のI-star以降はLeanを前提とした設計へ本格的に移行するとの見通しを示しました。
更新版Strawmapでは、2029年までに7回のフォークを半年ごとに実施する構想が盛り込まれており、各段階でアプリ開発者を含む関係者の意見を反映しながら仕様を固める計画としています。
こうした長期ロードマップを支える体制づくりとして、イーサリアム財団(EF)は2026年6月に予算の約40%削減と54人の人員削減を発表しており、開発資源をStrawmapに沿った中核プロジェクトへ集中させることで、Lean Ethereumへの段階的な移行を進める方針です。
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Source:ヴィタリック・ブテリンX投稿
サムネイル:AIによる生成画像




























