中国(China)のGoogleとも言われる大手テクノロジー企業「Baidu(百度)」は、Tencent(テンセント)やAlibaba(アリババ)などの企業と同様に仮想通貨(Cryptocurrency)やイニシャル・コイン・オファリング(ICO)に関する取り締まりを強化しています。同社は自社サービス内で開かれていた「暗号通貨関連のチャットフォーラム」を少なくとも2つは閉鎖していると報じられています。
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Baidu(百度/バイドゥ)とは
Baidu(百度/バイドゥ)は、中国で最も多く利用されている「検索エンジン」を提供している大手企業です。世界における検索エンジン業界でも非常に有名な企業でもあり、Google(グーグル)の次に多いシェアを誇っています。
Googleなどと同様に、インターネット上に公開されたテキストファイルや画像、動画などのあらゆるコンテンツを閲覧することができるサービスを提供している同社は、画像などの知的財産権を保護・管理するためにブロックチェーン技術を活用した「Totem(トーテム)」というサービスも発表しています。
Baiduは自社でブロックチェーン技術を活用しているものの、仮想通貨業界に未だに多く存在する「誇大広告」や「ICO参加への勧誘」に対しては厳しい対応をとっています。
仮想通貨関連のチャットフォーラムを閉鎖
現地メディアの報道によると、「Baiduは少なくとも2つの仮想通貨関連のチャットフォーラムを閉鎖している」と伝えられています。
また閉鎖の理由については「関連法、規則、ポリシーに準拠するため
」と説明されています。中国政府はここ最近で仮想通貨に対する規制をさらに強化しているため、Baiduは国の法律に準拠してサービスを提供していくために今回の対応を取ったと見られています。
Baiduの担当者は、フォーラムの中でICOに関連する勧誘行為が行われていたことなどを語り、中国政府が定める規制に沿ってサービスを継続していく方針を明らかにしています。
「Alibaba」や「Tencent」なども
仮想通貨に関する規制を強化しているのはBaiduだけではありません。
10億人のユーザーに利用されている「Tencent(テンセント)」のSNSアプリである「WeChat(ウィーチャット)」は、ICO関連のアカウントや仮想通貨取引を禁止することを発表しています。同社はそれらの取引をリアルタイムで監視することによって、疑わしい通信履歴が発見された場合にはブロックすると説明しており、既に「Huobi NEWS(フォビ・ニュース)」などの有名なアカウントを永久に停止しています。
Eコマースの大手企業「Alibaba(アリババ)」の傘下である「Ant Financial(アント・フィナンシャル)」は、決済アプリである「Alipay(アリペイ)」の仮想通貨取引に関わりのあるアカウントを禁止すると発表しています。
Alipayは同社のネットワーク上でビットコイン(BTC)の店頭取引(OTC)を行なっているアカウントをブロックすることを24日に発表しており、主要なWebサイトやアカウントを監視するためのシステムを立ち上げるとも述べています。
同社はこの他にも仮想通貨に関連する様々な危険をユーザーに伝え、教育を行うための「リスク防止プログラム」を導入することも計画していると伝えられています。
ブロックチェーン技術の活用は世界中で進められているものの、国の資本が外部に流出することなどの懸念もある仮想通貨に対しては、国や地域によって受け入れるか否かの方針に大きな違いがでています。世界各国の政府や大手企業からの仮想通貨関連の新しい規制の発表は、今後も特に注目すべきニュースの一つなるでしょう。