21日9時に「BIP91」がロックインされました。何も問題が発生しなければ23日に有効化され、ほぼ全てのマイナーはこれに従うことになります。これにより8月1日にブロックチェーン(Blockchain)が消えることで「取引データが失われる可能性」のあるUASF(ユーザー・アクティベイテッド・ソフトフォーク)はほぼ確実に回避できると考えて良いだろう。
BIP91は、SegWitの有効化するために必要なしきい値をこれまでの95%から80%に引き下げる。それと同時にSegwitブロック以外のブロックは「すべて無効」という提案内容になっている。現在、市場は安心感が広がり価格も上昇してきています。
以上を踏まえて、最も重要な「これから何が起こるのか?」について解説していこうと思います。今回の「スケーラビリティ問題」に関する、一連の問題については下記の記事で歴史を追って解説している。
→「ビットコイン(Bitcoin)は今後分裂するのか?歴史と技術から見た全記録」
Segwit今後のシナリオ
スケーラビリティ問題で長い間論争を巻き起こしていたSegwitは、8月中旬に採用、下旬には実際に使用できるようになるだろう。あとはブロックサイズを2MBに引き上げるハードフォークを実際に行えば良い。
上記で案内した記事でも解説しているが、今回のBIP91はあくまでもSegwit 2xを導入するためにNYAでの合意の元、急遽実行された提案である。(BIP91自体は以前から存在する)
Segwitのアクティベートは11月下旬になる。しかし、Segwit 2xのアクティベードが実際に行われ、ハードフォークが実行されるのかどうかはまだ確定ではない。ハードフォークに関して賛成派と反対派が存在しているためだ。ビットコイン・コミュニティではすでに 11月のハードフォークに向けての議論をスタートさせている。
ビットコインキャッシュ(Bitcoin Cash/BCH)の誕生
8月1日午後9時20分に、Bitmain(ビットメイン)を率いるJihan Wu(ジハン・ウー)氏が、全く新しいビットコイン「Bitcoin Cash(ビットコインキャッシュ/BCH)」を誕生させることを発表させています。
これはかねてよりジハン氏が提案していたUAHFである。つまり、この日をもってビットコインは完全に分岐し「ビットコイン」と「ビットコインキャッシュ」という2つのコインが誕生することになる。ハードフォークはほぼ確定だと考えて良いだろう。
ビットコインキャッシュ(BCH)は、ブロックサイズを大きくすること(ビックブロック)でスケーラビリティ問題などを解決しています。
現在ブロックサイズは「8MB」を予定しており、上限はマイナー合意で変更可能な仕様になっている。同コインを推進しているのは、Bitcoin ABC というチームだが当然、Bitcoin ABC にはBitmainが所属している。
ハードフォークは行われるが、あくまで全く別のコインの誕生になるので、現在保有しているビットコインに影響はありません。ちなみに、ハードフォークをした段階で現在保有しているビットコインと同数のビットコインキャッシュを持つことになるので、価格の変動はやや起きそうだ。ちなみに大手取引所coinbaseはビットコインキャッシュ(BCH)を取り扱わないことを正式に発表しています。