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中国が規制した仮想通貨取引所を数ヶ月以内に運営再開か?


「中国政府は、今後数ヶ月以内に仮想通貨取引の再開をする可能性が高い。」と中国の国営ニュースの出版社に当たる新華社が報道しました。
新華社は、厳格な顧客管理システムとアンチマネーロンダリングシステムを導入し、犯罪資金に対して明確な対策を中国政府が行うことを明らかにしました。先月、中国は仮想通貨取引を全面的に禁止しました。しかし、禁止を行なったことで、中国国内のビットコインをはじめとした仮想通貨取引は、政府が確認できないところで行われるようになりました。
個人間での直接取引や店頭取引などは、むしろ以前よりも増加の一途をたどっているようです。

大量の「人民元」と「仮想通貨」を直接取り引きされるようになったことで、中国当局は「どれだけの量の取引が行われているのか」全く把握することができなくなり、規制は結局失敗に終わりました。
この現状を予測していた、中国の仮想通貨取引所「Bitkan(ビットカン)」の劉洋(リウ・ヤン氏)CEOは、9月の時点で、

たとえ取引所が閉鎖されたとしても、仮想通貨やICOなどの投資商品に対する需要を根絶やしにすることはできない。
オフラインでの仮想通貨取り引きは中国政府も監視不可能だ

と発言していました。

また、中国投資家の多くは香港やシンガポールに拠点を移し、結局は国外で仮想通貨取引を行なっているとの報道もありました。
また、今回の仮想通貨取引禁止のきっかけとなった「ICO禁止措置」に関しても、日本の大手取引所「Coincheck」が、中国の新興企業からトークンを販売要請を「数百」も受けていることを発表しました。

上記の事実は「ビットコインなどの仮想通貨を国家が完全に規制することは不可能」というを証明した出来事だと考えていいでしょう。
今回の中国の仮想通貨取引の規制は、政府が取引プラットフォームの厳格な記録管理と利用者の完全登録制、アンチマネーロンダリングシステムを導入するまでの、「一時的なもの」になる可能性が高くなりました。

同国政府としては、マネーロンダリングなどの「不正資金」を撲滅することが目的なので、対策を立て、仮想通貨取引を完全なコントロール下に置いた後に取引を再開する可能性は十分にあります。「一時的」がどれほどの期間になるのは、現状不明確ですが、共産党大会後にどのような法整備が行われるかによって期間が決定してくるはずです。
おそらく中国でも日本と同様に「ライセンス制」を導入し、政府の厳格な管理下の元取引再開が行われるのではないでしょうか。日本のように「明確な規制ルール」を法律で決めてしまえば、あとはそのルールの中で仮想通貨取引やICOが自由に行えるので、こちらの方が市場は安定化します。
今後中国がどのような「仮想通貨ルール」を決定するのか、党大会後の動向に注目があつまります。

10月13日追記
「中国仮想通貨取引規制緩和」の報道の影響からか、ビットコイン価格が急騰しています。
現在のビットコイン価格は「61万円」を超えており、1ヵ月半ぶりの最高高値更新を記録しました。

9月の「ICO全面禁止」の報道後、30万円まで下落していただけにわずかな期間に価格が倍になるほど現在のビットコインに資金が集中しています。
上昇と下落のきっかけを作ったのが中国政府の発表だとすると、市場にとって中国はまだまだ重要な役割を担っていると考えるのが自然でしょう。また、今回の高騰はビットコインゴールド誕生前にビットコインを少しでも多く保有する流れも出ているためとも言われています。(同額のビットコインゴールドがもらえるため。)
今の高値がどこまでいくのか見ものです。