イベリア半島南端にあるアルヘシラス湾(ジブラルタル湾)の港湾局は「IBM」と大手海運コングロマリットである「Maersk(マースク)」によって開発されたブロックチェーン・プラットフォーム「Tradelens」に参加しました。
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貨物輸送量「年間7,000万トン」以上|ジブラルタル湾
アルヘシラス湾(ジブラルタル湾/APBA)は、イベリア半島南端にある湾であり、海岸線の大部分がスペイン領、湾の東側半分はジブラルタルによって領有権が主張されています。
3000年も前から商業船が使用していたともいわれるジブラルタル湾は、ヨーロッパの港の中でも特に活発な港として知られており、年間7,000万トン以上の貨物輸送を行っています。また2017年の港のコンテナ処理量は430万コンテナであるとも伝えられています。
「Europa News」の報告によると、ジブラルタル湾は「IBM」と「Maersk(マースク)」が開発したブロックチェーン・プラットフォーム「Tradelens」に参加したと伝えられています。
ブロックチェーンで「情報共有」を効率化
「Tradelens」は、グローバル・サプライ・チェーンにブロックチェーン技術を応用するためにIBMとMaerskが共同開発したソリューションです。
このソリューションは、効率的かつ安全な国際貿易を促進し、情報共有と透明性を確保するために開発されており、物流業界全体の革新を促進することを目指す様々な業界関係者が参加しています。
ジブラルタル湾はこのプラットフォームに参加することによって、サプライチェーン内のパートナー間でより安全かつ効率的に情報や文書を交換することができるようになります。また「Tradelens」のプラットフォームは荷送人、貨物運送業者、物流業者、船会社にも恩恵をもたらすとも伝えられています。
順調に規模を拡大している「Tradelens」のプラットフォームは、2018年末までに「100」を超える組織と「20」の港湾運営者を迎え入れており、2億3,000万の出荷品を登録し、2,000万を超えるコンテナを処理したと伝えられています。
物流や貿易などの分野では、ブロックチェーン技術の導入が加速しており、最近ではイスラエル最大の貨物運送会社と言われる「Zim」が、電子船荷証券の取引を効率化するためのブロックチェーン・プラットフォームを公開しています。これまでにも多くの大手企業がこれらの技術を導入してきていることを踏まえて考えると、ブロックチェーン技術を海運業に活用する動きは今後もさらに強まっていくと考えられます。
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