カルダノプロジェクトの開発を担っている「Input Output Hong Kong(IOHK)」は、Cardano(ADA)のアップデート「Shelly(シェリー)」の詳細を記した公式の仕様書を公開しました。Cardanoプロジェクトは「完全なる地方分権化」を実現するために着々とプロジェクトを進めています。
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カルダノの「完全な地方分権化」実現へ
Input Output Hong Kong(IOHK)の公式ブログでは、Shelly(シェリー)の開発段階における目標について「カルダノに完全な地方分権化をもたらし、連邦制の時代を超えて元帳の管理をステークプールを介してコミュニティに引き渡すこと」だと説明されています。
今回の発表では、Shelleyのアップデートに関する完成した仕様として、以下のような項目に分けて「PDFファイル」が掲載されています。
Cardano-Shelleyでの委任およびインセンティブの設計仕様書
「Cardano-Shelleyでの委任およびインセンティブの設計仕様書」では、Shelleyのリリースで使用される「デリゲーション(委任)」や「インセンティブ(報酬)メカニズムの要件」および「設計」に関する説明が記載されています。
デリゲーション(委任)とは、プルーフ・オブ・ステーク(PoS)を採用しているプロジェクトで用いられている、投票システムのようなものです。
カルダノ元帳の公式仕様書
「カルダノ元帳の公式仕様書」では、デリゲーションやインセンティブを含む「Shelley Ledger(シェリー元帳)のルール」が指定されています。
元帳の不定積分計算の仕様書
「元帳の不定積分計算の仕様書」では、基本的な数学関数を使用する「Shelley Ledger」の不定積分を正確に計算する方法が定義されています。
主な目的は「計算結果のわずかな違いによるブロックチェーンの分岐(フォーク)を防ぐために、アーキテクチャやプログラミング言語に関係なく、同じ結果が得られる明確な仕様を提供すること」だと説明されています。
「Byron」から「Shelley」へと円滑に移行するために
IOHKは今回のドキュメント公開に合わせて「Shelley」の前の開発段階である「Byron(バイロン)」の仕様に関するファイルも公開しています。これは「Byron」から「Shelley」への円滑な移行を実現するためだと説明されています。
ByronリリースのためのCardano Ledgerの公式仕様書
「ByronリリースのためのCardano Ledgerの公式仕様書」では、Cardano LedgerのByronリリースで実装されているように、取引で元帳を拡張するための規則が定義されています。
ブロックチェーンレイヤー(Byron)の仕様書
「ブロックチェーンレイヤー(Byron)の仕様書」では、ByronリリースおよびShelleyリリースへの移行における「Cardanoブロックチェーンレイヤーの仕様」として、ブロックチェーンに対する操作の推論規則が定義されています。
IOHKチームは、CARDANOの開発は「Cardanoプラットフォーム」で継続されることになるため、これらは「Shelleyアップデート」に関する最後の変更にはならないと説明しています。記事の最後では「これらの仕様を実装するプロセスは順調に進んでおり、仕様は数学・研究・開発コミュニティからのフィードバックを受けて改善され続けるでしょう」と記されています。
IOHKが公開した「ブログ記事」や「PDFファイル」は以下のリンク先で確認することができます。
>>「IOHK」が公開したブログ記事はこちら
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2019年4月18日|カルダノエイダコイン(ADA)の価格
カルダノエイダコイン(CARDANO/ADA)の価格は今月4日に11円近くまで上昇して以降は横ばいの状態が続いており、2019年4月18日時点では「1ADA=9.26円」で取引されています。