シンガポール航空(Singapore Airlines/SIA)は、航空会社のマイレージプログラムで世界初の「ブロックチェーンベースのデジタルウォレットアプリ」を導入すると発表しました。今年の8月に導入予定となっています。
革新的プロジェクトでパートナー募集中
同社のマイレージ会員はこのアプリを利用する事によって、SIA グループと提携を結ぶ店舗の店頭で商品やサービス購入の際にデジタルマイルの使用が可能になります。
技術面では商人やパートナーのみが関与する、SIA所有のプライベートブロックチェーンを使用しており、アプリ開発時には「マイクロソフト」や「KPMG デジタル・ヴィレッジ」と連携して実証実験も行われました。
実験の結果は「無事、実用可能だと証明された」と発表されており現在はサービス開始予定地でもある、シンガポール市場で提携先となる店舗を募集しています。
世界をリードするデジタル航空会社
シンガポール航空のゴー・チョン・フォン(Chh Phong)CEO は、今回の発表に関して以下のように語っています。
「ブロックチェーン技術を使って当社のクリスフライヤーをデジタル化するこの革新的なアプリは、顧客の利益のために我が社がデジタル面強化に投資を行っていることの実証です。私たちが世界をリードするデジタル航空会社を目指していることを表しています。」
ウォレットアプリ「クリスペイ(KrisPay)」正式リリース
(2018年10月22日追記)
シンガポール航空は2018年7月24日に、デジタルウォレットアプリ「クリスペイ(KrisPay)」を正式にリリースしました。このアプリは「iOS / Android」向けに公開されており、マイレージ会員制度である「クリスフライヤー(KrisFlyer)」でたまったマイルを交換して、日常生活での決済に利用できるようになっています。
クリスフライヤーのメンバーであれば、アプリをインストールして会員番号でログインするだけで実際にこのサービスを利用することができます。クリスペイへの交換は15マイルからできるようになっており、「15クリスペイマイル=0.1シンガポールドル(約8円)」として利用することができます。
KrisPayでの支払いに対応する店舗は徐々に増加しており、美容、飲食、小売、ガソリンなどの店舗で利用できるようになっています。
航空業界にじわじわと変化が?
いま、世界中の航空業界でブロックチェーン技術の導入が加速しています。
先月もカナダ政府がオランダ政府と連携し、入国管理の抜本的改革のために、ブロックチェーンを活用する試験的な枠組を発表しました。
また、オーストラリアのブリスベン空港は、ターミナル全体で仮想通貨決済を受け入れ、世界に先立って「仮想通貨空港」になることを目指しています。
時代の変化の大きな波が近づいているような気がしますね。
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