米国のDonald Trump(ドナルド・トランプ)大統領がベネズエラに全面経済制裁を科す大統領令を出したことによって、ベネズエラでは再びビットコインの取引量が急増しています。直接ビットコインの取引を行うことができるBTC取引所「LocalBitcoins」のベネズエラにおける取引量は過去最高値を更新しており、現地のビットコイン価格は10万円ほど割高になっていると報告されています。
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ベネズエラのBTC価格「10万円近く」割高に
Donald Trump(ドナルド・トランプ)大統領は2019年8月5日、ベネズエラに全面経済制裁を科す大統領令を出したことを発表しました。この大統領令は「現在米国内にあるベネズエラ政府の資産」や「今後米国内に送られる資産」だけでなく「米国人が所有・管理するベネズエラ政府の資産」も全て凍結するという内容となっており、これらの資産は「送金・支払い・持ち出し・引き出し・取引」などが禁止されると報告されています。
ベネズエラはすでにハイパーインフレに直面しており、国際通貨基金(IMF)は「ベネズエラのインフレ率は2019年末までに10,000,000%に達する」と予想していますが、米国からの新たな経済制裁はベネズエラの経済危機をさらに悪化させると予想されます。
このような現状に苦しんでいるベネズエラの人々は自らの資産を保護するために資産をビットコインと交換しており、これによって同国のビットコイン取引量は高まり続けています。
今回の発表が行われた結果、P2P取引プラットフォーム「LocalBitcoins」のベネズエラでのBTC取引量は過去最高値を更新しており、現地のビットコイン価格は約1,000ドル(約10.6万円)ほど割高になっていると報告されています。
暫定大統領グアイド氏は「ビットコイン推進派」
トランプ大統領は、社会主義のNicolás Maduro(ニコラス・マドゥロ)大統領を「キューバの操り人形」などと批判しており、経済的・外交的圧力を急激に高めていますが、その一方でトランプ政権は野党指導者であるJuan Guaido(フアン・グアイド)氏を支持しており”暫定大統領”として認めています。
グアイド氏は「ビットコインに前向きな人物」でもあり、2014年8月にはビットコイン取引所「Plataforma Sur Bitcoin」の開始を発表しています。この取引所はベネズエラの人々が現地の通貨を使用してビットコインを取引することができる最初の取引所の1つでもありました。
ロシア・中国・トルコ・イラン・北朝鮮・シリアなどのアジア諸国はマドゥロ大統領を支持しているものの、アメリカやカナダ・オーストラリア・EU・イスラエル・日本・北中南米諸国などはグアイド氏を支持しています。
米国からの経済制裁が今後も続くのであれば、ベネズエラのビットコイン需要はさらに高まっていくことになるでしょう。
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