インフレに苦しむ「子供たち」を仮想通貨で支援|ベネズエラで進むチャリティー活動
仮想通貨を使ってベネズエラで慈善活動に取り組んでいるTwitterユーザー「@CryptoForVzla」は、世界中から寄付されたビットコイン(Bitcoin/BTC)を使って深刻なインフレ問題に苦しむ現地の子供たちを支援しています。暗号通貨を支払い方法として受け入れる店舗が急速に増加しているベネズエラは、それらの"未来のお金"が具体的にどのようにして社会問題を解決できるのかの一つの事例を示しています。
こちらから読む:仮想通貨決済が急速に進む「ベネズエラ」関連ニュース
「ゴミと化す」ベネズエラの法定通貨
ベネズエラは現在、米国からの経済制裁の圧力によって深刻なインフレ問題に直面しており、同国の法定通貨であるボリバル(BEF)の価格は「1BEF=約0.000457円」となっています。2018年7月に当メディアで報告した際のボリバル価格は「1BEF=約0.00093円」となっていたため、この数ヶ月間でも通貨の価値はさらに下落していることがわかります。
同国の家電量販店で販売されている液晶テレビの価格は今年7月時点でも"7億6,000万ボリバル"となっており、地下鉄では切符を発行することすらもできずに、無料にすることを余儀なくされているとも報じられていました。歴史的なハイパーインフレによって、もはや"通貨"として機能しないほどにまでその価値を失ったボリバル紙幣は、現在ごみのように扱われており、使い道のない大量のボリバル紙幣は紙以下の存在となっています。
Venezuela garbage money. pic.twitter.com/bVyVBft6i5
— Alonso Valencia??? (@alonsovalenciav) 2018年9月4日
ベネズエラのゴミのお金
深刻な経済問題に直面しているベネズエラでは、石油に裏付けされた国家独自の仮想通貨ペトロ(PTR)を発行して問題解決に取り組む動きも見られましたが、現時点ではそれらの取り組みもうまく機能していないため、人々は"かさばる"心配もなく、世界中で広く利用されているビットコインなど仮想通貨に移行してきています。
インフレの影響は当然同国の子供達にも影響が及んでおり、学校で必要な学用品なども十分に準備することができない状況となっていましたが、最近ベネズエラの大型百貨店が仮想通貨決済に対応したことによって一部の学校の子供達は必要な幾つかの学校用品を手にしています。
子供たちへの「クリスマスプレゼント」
ベネズエラで慈善活動に取り組む「@CryptoForVzla」というTwitterユーザーは、掲示板サイト「Reddit」の慈善団体から調達したビットコインを使用して約260ドル(約30,000円)相当の衣料品と学校用品を購入し、ベネズエラの金銭的な問題を抱えた500人の子供たちに届けたことを2018年12月1日に報告しました。
投稿されたツイートには、サンタクロースの衣装を身にまとった男性と女性が子供達に一足早いクリスマスプレゼントを手渡している動画が添付されています。
A couple weeks ago I shared a video where bought a ton school supplies and clothing to be donated to kids!
— Crypto For Venezuela! (@CryptoForVzla) 2018年12月1日
Today was that day!? We delivered all the school supplies and Clothing to the kids ?❤️ Thanks for all your help! $BTC all of it was done thanks to you guys and Bitcoin! pic.twitter.com/LMfOT6GPng
私は数週間前に子供たちに寄付するために学校で使用する消耗品や衣類を購入したビデオを共有しました。
それらすべての学校用品と衣類は今日子供たちに届けました。助けてくれたすべての方に感謝します!これは皆さんとビットコインのおかげです!
子供達にプレゼントされた商品は、先日仮想通貨決済を導入したばかりの大型デパート「Traki(トラーキ)」で購入された商品であり、このユーザーは以前にも寄付されたビットコインで子供達の学用品を購入したことを報告していました。
このユーザーは現在Twitter上でも寄付を受け付けており、一連の投稿の中で受け取り用のウォレットアドレスを掲載しています。またこのユーザーはビットコインだけでなく、
・ビットコイン(Bitcoin/BTC)
・イーサリアム(Ethereum/ETH)
・ライトコイン(Litecoin/LTC)
・リップル(Ripple/XRP)
・トロン(Tron/TRX)
・ビットコインキャッシュ(BitcoinCash/BCH)
などの主要な仮想通貨での寄付も受け入れています。ベネズエラでは現在、毎月200店舗ほどが仮想通貨決済に対応していると伝えられており、受け入れられている仮想通貨も店舗によって違いがあります。これまでに報告された情報にでは、ビットコインやダッシュ(DASH)などが特に広く利用されていると伝えられています。
仮想通貨で加速する「国際支援活動」
世界中のあらゆる国からの国際送金を迅速かつ安い手数料で受けることができる仮想通貨は、現在のベネズエラにとって非常に重要な存在となっています。
国際送金が抱える様々な問題点を解決することができる仮想通貨は、その他の国で進められているチャリティー活動でも活用され始めており、ユニセフ(UNICEF)やマドンナ氏の慈善団体なども仮想通貨を使って慈善活動に取り組んでいます。
最近では、具体的なユースケースを持たない仮想通貨はこのまま崩壊に向かうといった意見なども見られていますが、現時点でも仮想通貨は多くの人々の重要な問題解決の鍵となっており、実際にそのような仮想通貨を賞賛する声や感謝する声は数多く出ています。国際的なお金の移動を容易にする仮想通貨が誕生したことによって、世界各地で進められている「国際支援活動」はその勢いを加速させています。
ビットコイン(BTC)などの購入は豊富な仮想通貨を取り扱っている仮想通貨取引所Coincheckからどうぞ。