ブロックチェーンとDNAを用いて船舶用燃料(バンカー油)のサプライチェーンを追跡するソリューション「BunkerTrace(バンカートレース)」が正式に商用発売されたことが発表されました。2019年10月3日にオランダで試験運用を成功させたこのサービスは、サプライチェーンの各段階で燃料に特別なDNAを加えて、取引をブロックチェーンで記録する仕組みを採用しています。
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海洋燃料追跡ソリューション「BunkerTrace」
BunkerTrace(バンカートレース)は、ブロックチェーンとDNAを用いた「海洋燃料追跡ソリューション」であり、サプライチェーンのあらゆる段階でDNAマーカーを燃料に追加し、各トランザクションをブロックチェーンを基盤としたシステムに記録するものだと説明されています。
このソリューションは2019年10月3日にオランダで試験運用を成功させており、すでに港・バンカーサプライヤー・船舶オペレーターなどから大きな関心を集めているとのことです。
BunkerTraceは「ブロックチェーン技術」と「DNA情報タグ付け」を組み合わせることによって、改ざん不可能な監査証跡(*1)を作成するため、燃料とそれに加えられた変更内容を追跡することができるようになっています。また、燃料を処理する機関が行うすべての行動と作業から離れるタイミングも記録するように設計されています。
(*1)監査証跡:情報システムへのアクセス状況や操作内容・データ処理内容などを監査人が追跡できるように、時系列に記録したもののこと
またこのソリューションは、温室効果ガスの排出量を削減して地球環境を保護するために「国際海事機関(IMO)」によって制定された「IMO 2020規制」に準拠していること示す証拠を提供し、サプライチェーンにおける全てのポイントで”燃料が適切な製品であるかどうか”を簡単に確認できるようになっているとされています。
BunkerTraceのプロジェクトに協力している海事産業の協同組合「Bebeka」のゼネラルディレクターであるHarry Vasse氏は『BunkerTraceのソリューションを活用することによって、バンカーチェーン全体で燃料の品質を管理するための独立した透明な方法を提供することができる』と語っています。