ベトナムのカイメップ・チーバイ国際港のコンテナターミナルである「カイメップ国際コンテナターミナル(CMIT)」は、2019年12月19日にブロックチェーン技術を用いた国際貿易プラットフォーム「TradeLens(トレードレンズ)」に参加したことを発表しました。
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国際貿易における業務フローを効率化
カイメップ国際コンテナターミナル(CMIT)は、カイメップ最大のターミナルの1つとして知られており、大型船の入港ができないベトナムにおいて「ベトナム・ヨーロッパ・北米・アジア」の主要市場と接続する幹線船収容施設として機能していると伝えられています。
報道によると「CMIT」は、サプライチェーン情報をリアルタイムに共有して、国際貿易における業務フローを効率化するためにブロックチェーン基盤の国際貿易プラットフォームである「TradeLens(トレードレンズ)」への参加を決定したと伝えられています。
TradeLens(トレードレンズ)は、世界最大規模の海運企業Maersk(マースク)とIBMが「Hyperledger Fabric(ハイパーレッジャー・ファブリック)」の分散型台帳技術を用いて開発したブロックチェーン貿易プラットフォームであり、すでに「100以上の組織」と「20の港湾運営者」を迎え入れ、2億3,000万の出荷品を登録、2,000万を超えるコンテナを処理したと報告されています。
このプラットフォームを利用することによって、海運会社・政府・貿易代理店は「税関プロセスのデジタル化・認証と出荷情報の透明化・リアルタイム検証」などを行うことができるようになります。
CMITのNguyen Xuan Ky(グエン・スアン・カイ)副長は「TradeLens」がもたらす透明性や利便性を称賛しており、『透明性を備えシームレスに検証可能な貨物データは世界の海運業界にとって不可欠なものだ』と説明しています。
具体的な例としては「ベトナムから米国にシーフードコンテナを輸出するためには、10を超える組織が連携して合計30種類以上の出荷作業と貨物データを作成する必要があるため、詳細を追跡することができるプラットフォームが必要であり、グローバルサプライチェーンにおける様々な組織・段階でリアルタイムに情報共有を行うことによって、国際貿易における業務フローの効率を大幅に向上させることができる」と説明されています。
急速に規模を拡大している「TradeLens」には、日本の大手海運業者である「オーシャンネットワークエクスプレス(Ocean Network Express/ONE)」なども参加しています。