ニューヨークの原油先物市場では、2020年4月20日に原油価格が先物上場以来初めて0ドルを割り込み、史上初となる「マイナス価格」を記録しました。今回の暴落は仮想通貨業界でも注目を集めており、仮想通貨市場への影響を予想する意見も多数でています。
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原油先物、一時的に「マイナス40ドル」まで急落
ニューヨークの原油先物市場では2020年4月20日に、史上初となる「マイナス価格」が記録されました。20日時点でのウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)原油先物の期近5月物の精算値は一時的に「1バレル=マイナス37.63ドル」となっており、前日から55.9ドル下落しました。
WTI:アメリカ南部のテキサス州とニューメキシコ州を中心に産出される原油の総称
朝方から売られ始めていたWTIは午後に入ってから下落の勢いを増し、正午過ぎに10ドルを下回った後は10分おきに1ドル下がる展開となり、午後2時過ぎに0ドルを割った後は一時的に”マイナス40ドル”付近まで急落しました。
先物価格がマイナスのまま期日を迎えた場合には、”原油現物の引き渡しとともに現金を受け取れる”という通常では考えられない事態に陥ることになりますが、記事執筆時点では「1バレル=21ドル」付近まで回復しています。
今回の暴落は「原油需要の減少」と「原油保管スペースの枯渇」によるものであり、外出規制などによってガソリンの使用率が激減していることに加えて、原油の保管スペースがなくなり貯蔵コストが大幅に高まったことが原因となっています。
仮想通貨への関心増加なるか|マイナーへの影響も?
「原油価格が0ドルを下回った」というニュースは仮想通貨業界でも大きな話題となっており、米国の仮想通貨取引所「Gemini(ジェミナイ)」の創設者であるウィンクルボス兄弟は『本日以降、石油は”信頼できる価値の貯蔵手段”とはみなされなくなる』とツイートしています。
本日以降、石油は信頼できる価値の貯蔵手段とはみなされなくなります。次に最適なオプションは「米ドル・ゴールド・ビットコイン」です。
仮想通貨業界では以前から「伝統的な金融資産の暴落」を予想する意見が数多く出ていましたが、今回の暴落によって仮想通貨や金融資産に関心を寄せていなかった人々の間でも「世の中が変わりつつあること」を感じ始めている意見が多数で始めています。
現時点でビットコインなどの仮想通貨価格には、それほど大きな変化は見られていないため、今回の件で仮想通貨などに対する注目が集まれば、新規投資家の参入にもつながる可能性があると考えられます。
ただし原油市場の混乱が今後も続いた場合には、為替・株式・仮想通貨などの市場にも間接的な悪影響をもたらす可能性もあり、別の意見では『石油会社が倒産した場合にはそれらのエネルギーを利用していた仮想通貨マイニング企業にも影響が出る可能性がある』といった意見も出ているため、仮想通貨市場の動きにも引き続き警戒が必要であると考えられます。
2020年4月21日|ビットコイン(Bitcoin/BTC)の価格
ビットコイン(BTC)の価格は先日20日にやや下落したものの、今のところ大幅な値動きは見られておらず、2020年4月21日時点では「1BTC=741,910円」で取引されています。
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