中国の仮想通貨投資家、政府の規制強化気にせず「強気姿勢」を維持
中国政府が暗号資産の取引やマイニングに関する規制を強化する方針を示したことによって、仮想通貨業界では「中国の購買力低下による仮想通貨市場への影響」を懸念する声が出ていますが、中国ではOTC取引(相対取引)プラットフォームなどの取引量が徐々に回復してきており、現地の投資家も政府の取り締まりを気にせず強気姿勢を維持していると伝えられています。
OTC取引などで仮想通貨取引継続か
中国政府は今月21日に仮想通貨の取引やマイニングに関する規制を強化する方針を示したため、一部の暗号資産取引所などでは「中国国内のIPアドレスに関連するアカウントを停止する」などの対応がとられており、仮想通貨業界では『中国の規制強化が仮想通貨市場全体に打撃を与える可能性がある』と懸念する声が出ています。
しかし「Bloomberg」の報告によると『取引の追跡が困難なOTC(相対)取引プラットフォームでは、反射的な売りが殺到した後に着実な回復が見られている』とされており、『仮想通貨関連のデータを配信している「非小号」のデータによると、人民元とテザー(Tether/USDT)の交換レートは中国政府の警告後に一時4.4%下落したが、それ以降は値上がり幅の半分以上回復している』とも報告されています。
中国政府は詐欺・資金洗浄・個人投資家の取引損失拡大などを懸念して仮想通貨関連の取り締まりを強化したものの、「OTC取引プラットフォーム」や「P2Pネットワーク」で行われた取引は追跡するのが難ししいため、中国当局が大規模な禁止措置を実施するのは困難であると見られています。
「Bloomberg」の報道によると、上海で不動産コンサルタントをしながら仮想通貨投資も行なっている匿名希望の人物は、仮想通貨の取り締まりや損失について『私は気にしない』と語っているとのことで、2017年以降仮想通貨を購入してきた同氏は先日の価格急落時に3日間で1,100万ドル(約12億円)の損失を出したものの、この12億円規模損失についても『私にとってこれは過去数ヶ月間で稼いだ利益を返すようなものであり、10年〜20年先を見据えている』と語ったと報じられています。
中国で仮想通貨規制が強化され、暗号資産取引所側の対策が強化されれば、中国居住者の仮想通貨取引量が減少する可能性がありますが、OTC取引プラットフォームを介した仮想通貨取引が今後も続けられる可能性はあり、仮想プライベートネットワーク(VPN)を経由して海外の暗号資産取引所を利用する投資家が増加する可能性もあるため、『規制強化後も中国の仮想通貨投資家は仮想通貨業界で大きな存在感を示していく可能性がある』との見方も出ています。