香港規制当局:暗号資産取引所の利用者「プロ投資家のみに限定すること」を提案
香港の規制当局が、現地の暗号資産取引所にライセンス制度を導入し、800万香港ドル(約1.1億円)以上のポートフォリオ資産を有する「プロの投資家のみ」が仮想通貨取引所を利用できるようにする方針を示したことが「ロイター」の報道で明らかになりました。
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1億円以上の資産有する「適格投資家のみ」に限定
香港の規制当局である「金融サービス財務局(FSTB)」は、2020年11月に開始された一般投資家の仮想通貨取引禁止に関する協議の結果を発表し、『香港での運営を希望する全ての暗号資産取引所は、ライセンスを取得する必要がある』と述べたと報告されています。
香港では日本で導入されているような「暗号資産取引所のライセンス制度」が導入されていないため、このライセンス制度を導入して認可された取引所のみが仮想通貨取引サービスを提供できるようにすることによって、仮想通貨市場を適切に規制することを目指してます。
また、香港の規制当局は仮想通貨取引所を利用できるユーザーを「800万香港ドル(約1.1億円)以上のポートフォリオ資産を有するプロの投資家のみ」に限定する方針も示しているとされています。
金融サービス財務局(FSTB)はこれらの規制について『仮想通貨取引所のサービス利用者を専門投資家に限定することは、少なくともライセンス制度の初期段階では適切である』と述べているとのことですが、地元のフィンテック企業・仮想通貨業界団体は「個人投資家へのサービス提供停止」に反対しており、『個人投資家へのサービス提供が停止されれば、香港の取引所を追い出された個人投資家が"規制されていない取引所"に流れる可能性がある』と警告しています。
仮想通貨取引所の利用者が「800万香港ドル以上のポートフォリオ資産を有するプロの投資家のみ」に限定された場合には、香港の人口の最大93%が仮想通貨取引所を利用できなくなるとも報じられており、業界関係者からは『この規制は金融イノベーションを奨励するという目標に反している』と主張する声も出ているとも報告されています。
なお、香港の金融サービス財務局(FSTB)は、市の立法議会の次の2021〜22セッションでこの提案を法制化するための法改正を提案する予定だと報告されています。