ノルデア銀行、ビットコイン連動ETPの提供開始へ
北欧最大のノルデア銀行は2025年10月30日、顧客向けにビットコイン(BTC)連動のETP(上場投資商品)を提供すると発表しました。
ノルデア銀行の発表によると、提供されるのはCoinShares(コインシェアーズ)発行のビットコイン連動ETPで、金融商品を通じてビットコイン価格に連動した投資が可能となります。
この決定は、欧州における仮想通貨規制の成熟と関連商品の需要拡大を背景にしたもので、提供される商品は経験豊富な投資家を対象とし、取引は2025年12月に開始される予定と説明しています。
ノルデア銀行はこれまで、仮想通貨の無規制性や投資家保護の不十分さから慎重な姿勢を取ってきましたが、規制環境の整備が進む中で顧客ニーズに応える形として、初めて仮想通貨関連商品を導入する方針を示しました。
欧州でビットコインETPを展開
MiCA施行でノルデアが仮想通貨対応に転換
ノルデア銀行は仮想通貨分野の動向を注視しつつも「無規制で投資家保護や当局の監督が及ばない状況を理由に関連商品の提供を控えてきた」と説明しています。
一方でEU(欧州連合)では2023年に仮想通貨の包括的規制枠組み「MiCA」が採択され、2024年12月に全面施行されました。
これはEU域内で初の仮想通貨に関する包括法であり、明確なルールと投資家保護の強化により、仮想通貨投資商品の基盤が拡大したと評価されています。
こうした環境を受け、ノルデア銀行は顧客ニーズに応じたサービス提供に前向きな姿勢を示しており、今回のビットコインETP導入もその一環としています。
発表によると、提供されるビットコインETPはCoinShares(コインシェアーズ)発行のシンセティック型ETP(合成上場投資商品)で、金融商品を通じて仮想通貨にエクスポージャーする仕組みです。
同ETPは経験豊富な投資家を対象とし、投資助言を伴わないエグゼキューション・オンリー形式で提供されると説明しています。
G7通貨連動のステーブルコイン発行を検討
欧州の銀行業界で進む仮想通貨サービスの拡大
欧州の銀行では仮想通貨サービスの導入が本格化しています。
9月には、スペイン大手のBBVAが個人顧客向けに、ビットコインやイーサリアム(ETH)の売買およびカストディ(保管)サービスを正式に開始しました。
さらに10月中旬には、INGやUniCredit(ユニクレディト)など欧州の主要銀行9行が、共同でユーロ建てステーブルコインを発行する企業を設立する計画を発表しました。
2025年3月時点の業界調査によると、欧州では55行が仮想通貨関連サービスを提供しており、この数はアジア(24行)や北米(23行)を大きく上回っています。
専門家は、欧州が先行する要因として「MiCAなどの明確な規制により法的な明確性が生まれ、競争やイノベーションが積極的に促進されている」と指摘しています。
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Source:ノルデア銀行公式発表
サムネイル:AIによる生成画像




























