アブダビ政府系ファンド、ビットコインETF保有額800億円超に
2025年11月19日、政府系ファンドのアブダビ投資評議会(ADIC)は2025年第3四半期(7~9月)に、米資産運用大手ブラックロック社のビットコイン現物ETF「iShares Bitcoin Trust(IBIT)」の保有株数を約800万株へと3倍以上に拡大していたことが明らかになりました。
ブルームバーグによれば、ADICのIBIT保有株の評価額は約5億1,800万ドル(約800億円)に上り、前四半期の約240万株から大幅に増加しています。
ADICは、長期的な視点でポートフォリオの多様化を図る一環として、ビットコイン(BTC)を金と同様に価値の保存手段として保有していると伝えられています。
アブダビ政府系ファンドで保有が拡大
ADIC、長期資産としてビットコイン保有方針
SEC資料に見るビットコインETF保有実態
アブダビ投資評議会(ADIC)は、アブダビ首長国の政府系ファンド「ムバダラ・インベストメント・カンパニー」の独立運用部門であり、莫大な運用資産を擁しています。
ブルームバーグによると、今回のIBIT保有拡大は米証券取引委員会(SEC)への提出資料により判明したもので、同評議会は9月30日時点でIBITを約800万株保有していたことになります。
ADICは2024年末に初めてビットコインETFへの投資を開始し、当時約820万株(4億4,000万ドル/690億円相当)のIBITを取得していました。
第3四半期のビットコイン市場は堅調で、IBITは期間中6.2%の上昇となりましたが、10月以降の下落でその利益は帳消しとなったと報じられています。
価格変動に動じないアブダビの投資哲学
ビットコイン価格は10月6日に過去最高値となる約12万6000ドル(約2,000万円)を記録した後に急反落し、11月中旬には9万ドル(約1,400万円)前後まで下落しました。
ADICは、このような市場変動にもかかわらず、ビットコインを長期的な価値貯蔵手段と位置付け、金と並ぶ分散投資先として保有を続ける方針を示しています。
ブルームバーグに対し「ビットコイン、金の両資産はいずれもポートフォリオ分散に寄与しており、今後も短期・長期の戦略の一環として保有を続ける」とADICの広報担当者は述べています。
JPモルガンも64%増加
ハーバード大学も投資拡大、ETF需要が上昇
機関投資家によるビットコインETFへの資金流入は、他の地域でも確認されています。
米ハーバード大学の寄付基金を運用するハーバード・マネジメント社は、2025年第3四半期にIBITの保有株数を前四半期比で257%増の約681万株まで積み増し、その評価額は約4億4,300万ドル(約700億円)に達しました。
この投資はハーバードの公開株式ポートフォリオの中で約2割を占める規模となっており、ビットコインETFが大規模投資家からも本格的に資産クラスとして受け入れられ始めていることを示す動きと捉えられています。
こうした大学基金や政府系ファンドによる仮想通貨投資の拡大は、機関投資家の間でビットコインETFへの関心が高まっていることを示しています。
※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=157.09 円)
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Source:ブルームバーグ報道
サムネイル:AIによる生成画像





























