この記事の要点
- Coin Center幹部が2026年3月28日にCLARITY法案停滞を警告
- 法案不成立なら次期政権が仮想通貨規制を強化する可能性
- 開発者訴追や規制ガイダンス撤回のリスクが浮上
- 4月の上院審議が米仮想通貨業界の転換点となる見通し
Coin Center幹部「法案なければ次期政権が仮想通貨に牙をむく」
米仮想通貨政策ロビー団体Coin Centerのエグゼクティブ・ディレクター、ピーター・ヴァン・ヴァルケンバーグ氏は2026年3月28日、仮想通貨市場構造法案「CLARITY(クラリティ)法案」が成立しなければ、将来の米国政府が業界に対して規制強化に踏み切る可能性があると警鐘を鳴らしました。
同氏はXへの投稿で「CLARITYを成立させる目的は現政権を信頼することではない。次の政権を縛ることだ」と述べており、立法による明確なルールの確立が業界の長期的な安定に不可欠だと強調しています。
法案が成立しない場合、プライバシーツール開発者が無認可の資金送信業者として訴追されるリスクや、現行の規制ガイダンスが将来的に撤回されるリスクが残るとしており、投資家にとっては米国でのビジネス・取引の法的安定性が引き続き不透明なままとなっています。
CLARITY法案は、ステーブルコインへの利回り付与の可否をめぐって銀行・仮想通貨企業・議員間の合意が得られず、米上院銀行委員会での審議が停滞してきました。
ヴァルケンバーグ氏の警告は、こうした立法の遅れが業界にもたらすリスクを正面から突きつけるものとなっています。
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CLARITY法案不成立で仮想通貨業界が直面する現実
規制の空白が生む「検察支配の世界」
ヴァルケンバーグ氏が特に懸念するのは、CLARITY法案のような立法上の保護が存在しない場合に生じる規制の空白です。
同氏は「CLARITYの法定保護がない世界は、検察の裁量と政治的な流行、そして恐怖によって支配される世界だ」と述べています。
具体的なリスクとして、プライバシーツールの開発者が無認可の資金送信業者として司法省から訴追される可能性と、現行の規制当局によるガイダンスが将来的に撤回されるリスクを挙げています。
前SEC(米証券取引委員会)委員長のゲーリー・ゲンスラー氏は、正式なルール策定ではなく執行措置と法的和解を通じて政策を形成したとして仮想通貨業界から批判を集まっていました。
ゲンスラー氏が2025年1月20日に辞任して以降、SECは複数の執行措置を取り下げるなど姿勢を転換しています。
ヴァルケンバーグ氏はこの転換が立法によるものではなく政権の意向によるものだと指摘しており、現政権の友好的な姿勢に依存することの危うさを訴えています。政権が交代した際に同様の事態が再現しうるとの見方を示しています。
5月末が実質的なデッドラインに、上院の攻防が激化
CLARITY法案は、仮想通貨仲介業者の登録枠組みやデジタル資産の規制方法、トークンの分類基準を含む包括的な内容で構成されており、同時期に審議が進むブロックチェーン規制確実性法案とあわせて、開発者保護の観点からも早期成立が求められています。
ただし、その審議はステーブルコインへの利回り付与を認めるかどうかをめぐる対立で膠着しています。銀行業界は既存の預金商品との競合を理由に、一貫して強硬な姿勢を維持しています。
ヴァルケンバーグ氏はこの膠着を「機会の損失」と捉えており、短期的な利益と引き換えに長期的な法的基盤を放棄することへの強い危機感を訴えています。
上院銀行委員会は4月中旬以降(イースター休暇明け)にCLARITY法案のマークアップ(修正審議)を予定しており、採択されれば委員会を通過して上院本会議での採決へと進む見通しです。
バーニー・モレノ上院議員(共和党・オハイオ州)は「5月末までにCLARITY法案が通過しなければ、デジタル資産法制は当面実現しない」と警告しており、行政側でもスコット・ベッセント財務長官が春の立法ウィンドウ内での成立を訴えています。
CLARITY法案成立で業界が得る法的基盤
CLARITY法案が成立した場合、どの資産がどの規制当局の管轄に属するかが初めて法的に明確になります。
すでに行政面でも変化は出始めています。SECとCFTC(米商品先物取引委員会)は2026年3月17日、大半の仮想通貨資産は有価証券に該当しないとするガイダンスを共同公表しており、立法と行政の両面から制度整備が同時に進んでいます。
ヴァルケンバーグ氏が訴えているのは、こうした行政判断を恒久的な法律として固定することで、一時的な行政の姿勢に依存する現状を変えなければ、次の政権で状況が逆転しうるとしています。
同氏は「我々は仮想通貨が体現する透明性・中立性・開放性のために立ち上がることができなくなる。そして最悪の場合、将来の官僚に縄を渡し、自ら首を絞める手伝いをすることになる」と警告しています。
規制の枠組みが行政の判断に委ねられたままであれば、次の政権が反仮想通貨的な姿勢をとった際の影響は、立法上の盾なしでは大きくなるとの見方を示しています。
業界を二分する税制論争
「立法か空白か」4月の上院審議が業界の命運を握る
ヴァルケンバーグ氏が警告を発した背景にあるのは、現在の友好的な規制環境が将来も維持される保証はないという認識です。
CLARITY法案が成立すれば、企業や開発者、投資家は行政判断に依存しない法的な基盤を得ることになります。
一方で、成立しなければ、規制の方向性は引き続き政権や当局の判断に委ねられます。次の政権で方針が転換された場合にも、業界を守る立法上の歯止めが存在しないままとなります。
4月中旬以降に予定される上院銀行委員会でのマークアップが、その行方を左右する最初の関門となります。CLARITY法案が米国の仮想通貨市場に長期的な法的安定性をもたらせるかどうか、注目が集まっています。
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Source:ピーター・ヴァン・ヴァルケンバーグ氏X記事
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