ステラ上で株式・米国債をトークン化、DTCCがウォール街の中核を開放へ

ステラ上で株式・米国債をトークン化、DTCCがウォール街の中核を開放へ

この記事の要点

  • DTCCとステラが株式・ETF・米国債を2027年にブロックチェーン化
  • SEC承認済みの証券トークン化サービスが実用段階へ移行

まずはトークン化株式を詳しく

目次

米国債・ETFが2027年にオンチェーン化

米預託信託・清算機構(DTCC)は2026年5月27日、ステラ開発財団(SDF)との協業により、子会社DTCが保管する証券資産をステラ(Stellar/XLM)ネットワーク上でトークン化するサービスを2027年上半期に開始すると発表しました。

対象にはラッセル1000構成銘柄やETF(上場投資信託)、米国債が含まれており、従来の証券インフラと連携しながら、ブロックチェーン上でデジタル証券として管理・流通させる仕組みの導入が進められています。

トークン化された資産は投資家の権利保護や既存の市場ルールを維持したまま運用される予定で、決済処理の効率化や流動性向上、取引可能時間の拡大を目的として導入されます。

DTCCは複数のブロックチェーンを活用した証券トークン化戦略を進めており、今回のステラ採用はその一環として位置づけられています。

2027年上半期のサービス開始に先立ち、対象資産ごとのユースケース評価や既存の証券決済システムとの接続検証が実施される予定です。

DTCCのデジタル市場基盤構築が本格始動

SEC承認を受け計画を具体化

SEC(米証券取引委員会)は2025年12月、DTCが保管するRWA(現物資産)トークン化サービスについてノーアクションレターを発行し、実装・運営を認めました。

これを受けてDTCCは、伝統的な証券市場とデジタル資産市場を接続するインフラ整備を進めており、「オープンで相互運用可能なデジタル市場基盤の構築」を掲げながら、複数のブロックチェーンを活用するマルチチェーン戦略を推進しています。

フランク・ラ・サラ社長兼CEOは、トークン化によって取引効率や資本効率の向上に加え、市場の透明性向上や担保流動性の拡大が期待できるとの見方を示しました。

ラッセル1000・ETF・国債がステラ上に

DTCCは証券資産のトークン化基盤として、ステラ開発財団(SDF)が支援するステラネットワークを採用しました。

DTCCとSDFは正式ローンチに先立ち対象資産ごとのユースケース評価を進める予定で、候補にはラッセル1000構成銘柄、主要指数連動ETF、米国の短期・中期・長期国債が含まれています。

サービスは資産のトークン化だけでなく、配当や株式分割などのコーポレートアクション、各種報告業務を含む資産ライフサイクル全体への対応を想定しています。

ドネル・ディクソンCEOは、今回の協業について「規制対応済みの市場インフラとパブリックブロックチェーンを接続する取り組みだ」と述べ、機関投資家向け市場での活用に期待を示しました。

2027年上半期に常設型サービスが始動

DTCCのブライアン・スティール マネジングディレクター兼清算・証券サービス部門社長は、50年以上にわたり蓄積してきた清算・決済業務の知見を活用しながら、安全かつ拡張性の高い形でサービスを提供する方針を示しています。

サービス開始は2027年上半期を予定しており、正式ローンチまでに用途別の検証や運用体制の確認が進められます。

対象資産や提供機能の詳細は今後の評価結果を踏まえて決定される予定で、DTCCは既存の証券決済インフラと連携する常設型サービスとして展開する計画を示しています。

証券トークン化が制度化へ、SECが規制案準備

DTCCは今回の発表に先立つ2026年5月、チェーンリンク(LINK)の技術基盤を活用した担保管理の自動化で連携を公表しており、マルチチェーン戦略の適用範囲を広げています。

一方、米SECは株式に連動するトークンの規制案を公表する準備を進めており、トークン化証券を既存市場へ組み込むための制度整備も進行しています。

市場インフラ事業者によるサービス開発と規制整備が並行して進むなか、証券トークン化は実証段階から実運用段階へと移行しつつあります。

>>RWAトークン化関連の記事一覧はこちら

Source:DTCC公式発表
サムネイル:Shutterstockのライセンス許諾により使用

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