この記事の要点
- 米下院、BTC国家準備の法制化法案を提出
- 財務省集約と20年保有義務、超党派17名が共同提案
米下院「BTC国家準備」法制化法案を提出
米下院のニック・ベジック議員(共和党・アラスカ州)は2026年5月21日、ジャレッド・ゴールデン議員(民主党・メイン州)と共同で、戦略的ビットコイン(BTC)準備の設立と連邦政府によるデジタル資産管理の近代化を目指す超党派法案「American Reserve Modernization Act of 2026(ARMA)」を下院に提出しました。
ARMA法案では、米財務省内に戦略的ビットコイン準備を設置するほか、ビットコイン以外のデジタル資産を管理する「デジタル資産備蓄」も新設し、司法省や国税庁など連邦各機関が保有する暗号資産を財務省管理下へ集約する仕組みが盛り込まれています。
戦略的準備に組み入れられたビットコインには最低20年間の保有義務が課され、四半期ごとの「準備証明」報告書公開も義務化されました。連邦政府が保有するデジタル資産について、継続的な監督体制を確保する内容となっています。
本法案にはオリジナル共同提案者として17名の下院議員が参加しており、トランプ大統領が2025年3月に大統領令で創設した戦略的ビットコイン準備を法律として恒久化することで、政権交代による方針転換リスクを抑える狙いが示されています。
米国「BTCを国家準備に」
「20年保有・一元管理・自己管理権」法案の柱
押収BTCも財務省集約、第三者監査も導入
ARMA法案では、連邦各機関に分散していたデジタル資産の管理権限を米財務省へ集約し、押収資産を含む政府保有の暗号資産を統合管理する仕組みが盛り込まれています。
米連邦政府は、司法省や国税庁などを通じて押収・罰金・その他の法的手続きによって取得した数十億ドル規模のデジタル資産を保有しており、ARMA法案では、こうした資産の管理を財務省へ集約する方針が示されています。
また、すべての連邦機関には保有または管理しているデジタル資産の会計報告提出が義務付けられるほか、第三者監査と議会監督を組み合わせた検証体制の導入も盛り込まれました。
BTC20年保有義務、債務削減時のみ売却
ARMA法案では、戦略的ビットコイン準備に組み入れられたBTCに最低20年間の保有義務を課しており、短期売却を前提としない国家備蓄として位置付けています。
共同提案者のマット・ヴァン・エップス議員は声明で「準備の設立は納税者負担を伴わない形で進められ、ビットコインの売却も国家債務削減を目的とするケースに限定される」と説明しています。
同議員はあわせて、米国の国家債務が39兆ドル(約6,200兆円)規模に達している現状を踏まえ、戦略的資産としてビットコインを長期保有する必要性を強調しました
自己管理権を保護、予算中立の取得も研究
ARMA法案には、個人によるデジタル資産の所有・移転・セルフカストディについて、連邦政府が正当な権利を侵害してはならないとする条項も含まれています。
加えて、増税や財政赤字拡大を伴わずに戦略的準備を拡大する手法を検討するため、予算中立型の取得戦略に関する研究実施も明記されました。
ベジック議員は、私有財産権は米国の理念の根幹でありデジタル空間にも完全に拡張されなければならないと述べ、個人の自由保護と国家準備の多角化を両立させる狙いを示しています。
仮想通貨企業のFed直結が現実味
トランプ構想の恒久化、議会審議の行方
今回の法案提出の背景には、トランプ政権が2025年3月の大統領令で創設した戦略的ビットコイン準備について、法的整理に時間を要し、本格運用への移行が進んでいない現状があります。
デジタル資産に関する大統領諮問評議会のパトリック・ウィット事務局長は、現政権が同構想に関連する法的解釈の整理に数カ月を費やしてきたと明らかにしました。
一方、スコット・ベセント財務長官は連邦機関によるビットコイン追加購入に否定的な立場を示しており、政権内部でも取得方針を巡る温度差がみられています。
上院ではシンシア・ルミス議員が、財務省に5年間で100万BTCを購入させる「BITCOIN法案」を再提出し、議会側からも追加取得を後押しする動きが続いています。
ARMA法案によってトランプ政権の戦略的ビットコイン準備構想が法律として恒久化されるかどうか、また予算中立型の取得戦略が今後の追加保有につながるかどうかに市場の関心が集まっています。
※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=159.08 円)
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Source:ベジック議員プレスリリース
サムネイル:Shutterstockのライセンス許諾により使用


























